頑張って見る蔵 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
雇われ国王が町おこし、一年間のドキュメンタリー
―最終話まで視聴済―
あまりに寂れた街、間野山市にある、時代遅れのミニ独立国、チュパカブラ王国。
国王を命じられた木春由乃は周りを巻き込みながらこの街を元気にするために動き出す。
地方創生がテーマとなっている本作。
イノベーションを起こすのは、バカ者、若者、よそ者。
あまりにも、偶然が重なってこの街の振興を考える立場になった国王。
さみしい街であっても、現状にとくに不満はないからこのままでよい。
という地域住民と当初は対立していた。
しかし、全力でぶつかる国王の行動力で次第に街は活気を取り戻す。
みんなが喜ぶから街おこしであって、不満が残るならただの開発。
国王は物語を通して住民に寄り添う街おこしを考えるようになる。
間野山の民話には、「新しいものを受け入れて、変化している」ことが教訓として語り継がれていた。
今の日本の地域創生にも向き合わないといけないテーマであると考える。
ストーリーはすごく難しい問題を取り扱っているものの、終始明るく進む。
アニメならではの、メカや老人によるネットの活用などのトンデモ設定もある。ご都合主義はこの問題を暗くしすぎず、最後まで視聴できるエンターテイメント作品にするには仕方のないところはあると思う。
このアニメによって、荒廃が進む地方の問題を考えるきっかけになれば素晴らしいと感じる。
もっとも、富山にあるアニメ会社が作っているのでアニメを使って問題提起をしたかったのかもしれない。
総じて社会派でありながら肩ひじ狭くならずに見れる良作であった。