頑張って見る蔵 さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
人はアンドロイドと共生できるか
アンドロイドが人々の生活に密接にかかわり始めた世界が舞台。主人公のリクオは、所有するアンドロイド、サミィのログに不審なものを見つける。そのログを辿っていくと、雑居ビルの裏口のような怪しい場所にたどり着く。意を決して中に入ると、そこには「イヴの時間」という喫茶店があった。
物語は喫茶店での客や店主、凪との交流で紡がれる。
人とロボットを区別しない特殊なルールによって、誰も素性がわからない。
市中では愛想のない、ただ役務をこなすだけのアンドロイドたちがこの店ではまるで生きている人間のように振る舞い、ロボットと人間の垣根を感じさせない。
その交流の中で、主人公のリクオと友人のマサキはロボットと人の心について深く考えていく。
全般を通じ、喫茶店の客である人とロボットたちのキャラクターが掘り下げられている。だがテンポは非常に良い。
{netabare}冒頭のアキコちゃんのくだりは特に引き込まれるよいテンポであった。また、ロボット同士が互いを人間だと思って恋愛関係になっていたりと興味をそそるトピックがいくつも連作のようにつながっていく。{/netabare}
また、所々にクスっと来るような笑いどころもあり
人とロボットの共生、ロボットの自我についてどう受け止めるか
というSFの重いテーマを内包しながらも
肩の力を抜いて楽しむこともできる傑作である。