Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
あいつを好きな君の横顔が、たまらなく綺麗だったから…
この作品は、オリジナルTVアニメ作品だったみたいですね。
でも、アニメ化の発表は視聴意欲を加速度的に高める最高のオマケつき…
この作品の脚本・シリーズ構成は『さくら荘のペットな彼女』の鴨志田一さん、そしてキャラクター原案は、「月曜日のたわわ」でお馴染みの比村奇石さんのコラボ作品である事が、大々的に打ち出されていましたから。
アニメーション制作は、2015年に設立されたばかりの株式会社パインジャムさん…
これまで「魔法少女なんてもういいですから。」「月曜日のたわわ」「ゲーマーズ」を手掛けられてきた会社です。
ゲーマーズが30分枠の初挑戦作品、そして今年2本目の本作は初のオリジナル作品…
そう考えると、チャレンジ精神旺盛な会社なんですね。
更にこの作品には気になる点が…
音楽プロデュースが、やなぎなぎさんなんです。
これまでやなぎなぎさんの作成された楽曲はたくさん聞いてきました。
でも、この様な形で作品に関わるのは、これが初めてなのではないでしょうか。
こんなにも気になる点のメガ盛り作品…もうこの時点で視聴する気マンマンです。
この物語の舞台は高校3年生の2学期の終わり…
この時期のクラスは大きく3つに分かれています。
大学のセンター試験を前に自分を追い込んでいる人…
大学の推薦入学が決まって、残りの高校生活を謳歌している人…
就職して自ら生計を立てようとする人…
高校に入るときのスタートラインはみんな一緒だった筈なのに、こんなにも一人ひとりのゴールが違うなんて…
ごく当たり前の通過点でしかないのですが、改めて考えてみると感慨深いです。
中学から高校、そして大学への駒を進める人は、これが2度目の篩い分け…
そして、これが自力で手を伸ばせる最後の瞬間…
もちろん、例外はあります。でもそれはあくまで例外であって誰もが選択できる訳ではありません。
ここから先、それぞれの路線はもう絡み合う事は無く、目指す終着点はまるで違うモノになるから…
だから思います。
ちゃんと決める前に自分を見つめ直して欲しい…ホントにそれで良いの?
思い切り背伸びをして欲しい…少しでも後悔を減らすために…
自分に素直になって欲しい…これからこれまで以上に長い人生を切り拓いていくために…
この物語では、そんな土壇場のタイミングで昔の仲間が4年ぶりに地元に戻ってきたことをキッカケに自分の気持ちと在り方…そして自分の将来を見つめ直す物語です。
3年生に残っている時間は、とても不思議で大切な時間…
だって、ここれまでは何を願う必要も無く同じ時間を過ごすことができた。
ただ、その道は時限付き…である事は、歩き出す前から分かっていたこと。
それなのに胸がざわつくのは、きっと自分の心の声とちゃんと向き合っていないから…
誰にも等しく与えられた3年間…どの様に使うか、どんな思い出を心に刻むかは本人次第…
だから、きっと一番大切なのは、自分勝手であること…なんだと思います。
この作品でも幾つか目の当たりにすることがあった感情です…
でも、仕方ないんです。
そう、今行動しなきゃ絶対後悔すると思ってのことなんですから…
きっと、こんなタイミングじゃなかったら絶対できないことも、
後が無いから…残された時間が無いからと自分で自分をせかした結果なのですから…
そう考えると、自分の心模様ってちょっと切ない…
だって、結果が分かっていたとしても、一度動き出した気持ちは結果なんてどこ吹く風と、止まる気配すら見せてくれないのですから…
だから解き放たれたその先を夢見て、今の自分を枷に嵌めるんだ…
自分の全部を出し切りたいから…徹底的に自分を追い込むんだ…
だって…どうしても叶えたい夢があるんだから…
卒業まで残された僅かな時間…
それぞれの思いを胸に秘め、それぞれの物語が動いていきます。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、やなぎなぎさんの「over and over」
エンディングテーマは、夏目美緒(礒部花凜)、森川葉月(芳野由奈)、小宮恵那(Lynn)の「behind」
どちらもやなぎなぎさんの楽曲ですが、どちらも甲乙付け難いほど素敵な曲です。
オープニングは言うに及ばず…個人的に驚きだったのがエンディングを歌った3人の声質がやなぎなぎさんの曲調に合っていた事です。
3人の声にやなぎなぎさんが合わせてくれたのかもしれませんが、想像以上に胸に染み入る曲でした。
1クール12話の物語でした。
全般的に堪能させて貰いましたが少しだけ…
・最後が引っ張り過ぎ…と感じたのは私だけでしょうか。
・Lynnさんの演技…やっぱ良かったです。
部室での一コマ…私も貰い泣きでした。