01oinaris さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
見る人によって佳作にも駄作にも…
私にとっては秀作。とにかく穹の心理描写表現が良かった。
他のレビューにもある通り、オムニバス形式で数話ずつかけてヒロイン攻略、そして時系列を巻き戻して別ヒロインを攻略…を繰り返していくのだが、(穹以外の)どのヒロインのエンディングも、何故かハッピーエンドとは言い切れないモヤモヤした後味を残していく。
最後の穹パートで、これまでの後味の悪さの原因が全て判明。
そしてそのエンディングではさらに大きなモヤモヤを残していく(笑)
穹が快活になるにつれて、ハルが逆に良心の呵責に苛まれて鬱になっていくところは胸が締め付けられる。
禁じられた恋愛をテーマにしているので全般的に重い展開が多いが、ラスト5分のコメディパート&ももクロ歌で口直し。これが無ければ完全に鬱アニメ。うまくバランスが取れていますね。
OPの「比翼の羽根」by eufonius も良い。比翼は伝説上の鳥で雌雄一対が片羽&片眼づつ持ち、雌雄が常に一緒でなければ飛べない。まさにハルと穹を暗示しており、結局二人の運命ということか。
劇中BGMは実は基本メロディーラインが全く同じ。なのにテンポや楽器を変えるとこんなにも雰囲気が変わるのか…明シーンにも哀シーンにもうまく調和している不思議。
各話必ず濃厚なラヴシーンがありますが、そこが嫌いな人はキビシイかも。
ラヴシーン平気な人なら視聴お勧め。ドロドロした昼ドラ感が病みつきになります。
逆にエッチな描写が見たい人は…話が重くてあまり楽しめないかも。
見る人の好みに完全に左右される作品ですね。こういう評価が分かれる作品、私は大好物です。
視聴を迷っている人は、とりあえず夢野久作の「瓶詰地獄」を読んでみることをお勧めします。これを読んで気持ち悪いと思うかどうかがポイントかな。
あとは、名家の没落的な感じで太宰治の「斜陽」とかも思い出しました。
結末はどのようにも解釈できるけど、それでいいんです。見たあなたが思ったこと、感じたこと、それが答え。