kku さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
モラトリアムでメランコリーな
主人公は高3の2学期終わりに親の都合で4年前まで住んでいた土地に久しぶりに帰ってきた。そこで昔の友人や初恋の相手を出会い。
1話から独特な空気感が物語りや画面を支配します
あるものは就職を控え、あるものは進路に悩み、あるものは受験で頭がいっぱいだったり。
あの時期のなんとも言えないふわふわした空気感、不安や葛藤が交錯する
モラトリアムでメランコリーな空気感が画面いっぱい最後まで続きます。
そうなると暗くなりがちですが、独特の間・行間と時折挟まれるコミカルなシーン(話犬の表情、11話美緒の顔芸は好きでした)が微妙なバランスを発揮しててすぐにその世界観に『心地よさ』を感じるはずです
そういう時限の世界の中で、進路や恋愛に登場人物がは真剣に悩む姿はとても共感もてました。
特に各話、これはどういう意味だろう、どういう表情なんだろうという想像できる余地があるほど緻密なセリフまわしとキャラの複雑な表情はなかなかのものだと思います。
ベースが小説なのでその良さを生かした手法ともいえますが、視聴者にとっては分かりにくい~、と思うかもしれません。
でもこれは小説ベースです。本だともっと人の想像力が要求されるので
私は高評価したいです。*シリーズ構成が鴨志田一さんなので岡田麿里さんの影響なのかもしれないです
またただ恋愛で終わることなく、アニメで敬遠されがちな親との関係や
友情なんかにもスポット当ていて物語の説得力を高める事に貢献してるとおもいます
{netabare}
(話犬の表情、11話美緒の顔芸は好きでした)
最終話の脈絡は弱いと感じました。ドタバタ最後に押し込んだという感じで混乱したのが非常に残念な点です
{/netabare}
作画については背景美術はトレース技法ですばらしいです。
ただキャラに関しては最初、メイン女性二人の見分けがつきにくかったり、
動きに関しては正直笑ってしまうくらい不自然でした
時折差し込まれるCGモノレール、これってかなり重要なメタファー
(時間とすれ違い)だったりするんですけど
かなり浮いてて微妙な出来で、それは最後まで続きます
出来て2年ほどの制作会社という事を考えれば私は十分な出来かなと思ったり。
最後に。内容自体はいたってシンプルです。12話の内容も難しくなく誰でも理解できる内容。
ターゲットは現役学生向けでその世代には是非観てもらいたいです
3年なんてあっという間あの時間、あの瞬間を作品に出てきた人達みたいに
悔いなく大事にすごしてほしい。
あとover and overいい曲です!
(好きなシーン)
{netabare}
5話の主人公が放つ「今のアレ、気づいているのか気づいていないのかどっちだよ」というところ。この微妙な距離感、探り合いが面白くてこの作品を象徴する所とも言えるはずです
鬱屈した1~11話のシーン、全体的にトーンを落しつつ、シーンもうす曇や夜で展開しつつ最終話光とサクラのピンクで解放させる演出は良かったと思います
{/netabare}
(類似作品との違い)
{netabare}
月がきれいと比較されがちですが月がきれいはどちらかというとターゲットは初恋を終えた人向け。
こちらは現在進行形の学生向けという印象が強かった
月の方は作中にたくさんにもし、自分なら~、を散りばめ、過去を懐かしむ要素が多かったけど、
JBの方は恋愛のやり取りを細かく描写し現役世代への応援に近いものがあったと思います
だからあるカップルは前進してももいくつかの障害が生まれたし、
主人公カップルや小宮さんの方は怖くても、どこかで踏み込む勇気みたいなものを肯定的に表現してた
{/netabare}