Ka-ZZ（★） さんの感想・評価

3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

これは成長の…友情の…そして戦いの物語…。

この作品の原作は未読です。
「ラブライブ!」の監督を務められた京極尚彦さんが監督であることと、出演される声優さんが凄かったので視聴を決めた作品です。

声優さん…凄いですよ♪
黒沢ともよさん、小松さん、かやのん、あやねる、はやみん、内山夕実さん、能登さん、内田さん、伊藤かな恵さん、小澤さん、種崎さん、茜屋さんにくぎゅ…
他にも紹介しきれないほどの声優さんが出演されています。

この物語の主人公は、黒沢ともよさん演じるフォスフォフィライト…
そう…この物語に登場する女の子は、基本的に宝石なんです。

通称「フォス」は、好奇心旺盛で宝石の中でも若手に位置する存在なのですが、前向きな気持ちに身体がついていけないのがフォスの残念なところ…
フォスの身体の硬度は3半で靭性は最下級…つまり他の鉱石より圧倒的に脆く壊れやすいことを意味しているのです。

この国における宝石の仕事…それは、不定期に襲撃してくる月人から自身と仲間を守ること…
そして月人と直接対峙する人を支えたり、襲ってきた月人を記録したり…

みんな自分の身体の特性を知って、適材適所で仕事に従事しています。
人間の寿命の何倍もの時間を一緒に過ごしてきた大切な仲間です。
だから必要以上に身体に負荷をかける事は、自分が許容しても他の周りが許さない間柄…

でもフォスの望みは月人と直接対峙する見回りと戦闘…
きっとまともに月人とやり合ったら、ただの一度ももたないでしょう。

それでも最前線を志願するんですよね…
月人に近いところで仕事する人ほど、十分な固さと靭性…或いはこれに匹敵する何かを持っていることにほかなりません。
だからフォスの立ち位置は最前線から一番遠い場所…
だったのですが、物語は意外な方向に転がって行くことになるのです。

フォス自身に訪れた変化…については、本編で確認頂くのが一番でしょう。
その変化は他の宝石たちと比べると、明らかに異質でしたから…
でもそれだって結果でしかなく、全てはフォスがその変化を受け入れてきたから…

変化を受け入れること…これは時と場合によるので、どちらが正解という答えはないと思います。
フォスだっていきなり変化を受け入れる、それを受け入れることは同時に大きなリスクも課せられるということは分かっています。
それに例え変化を受け入れても絶対成就できる訳ではありませんし…
そんな怪しい博打に人生を賭けるフォスではありません。

そんなフォスの思いや決意を一蹴するかの如く、突然ピンチはやってきます。
一つだけはっきりしたこと…目の前で繰り広げられる出来事が最悪であるほど大きく心が抉れるということです。

フォスが前に進むという事は身体を酷使するということ…
フォスが身体を酷使するということは、その分だけ軋みと綻びが進むということ…

一方、物語の方は何やら不穏の動きが見え隠れし始めます。
口を開く皆の意見は様々です。
何が嘘で何が真実なのか…

声優さんたちも大活躍です。
かやのんの演じたダイヤはまるで女の子そのもので、彼女の優しさがそのままキャラに乗り移ったような感じ…
あやねる演じたボルツは微塵の妥協も許さない孤高の戦士…
そのほかの声優さんの活躍は…物語の伏線回収と合わせて本編で確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、YURiKAさんの「鏡面の波」
エンディングテーマは、大原ゆい子さんの「煌めく浜辺」
個人的にはオープニングの方が幻想的な曲調で好みでした。

1クール12話の物語でした。
エンディングは…額面通りに解釈して良かったのでしょうか？
それともこれが新たな伏線？
こんな終わり方では続きが気になって仕方ありません。
このモヤモヤ…何とかならないでしょうか？


追伸
このレビューを書くために「宝石の国」wikiをチラ見しました。
この中で結構感動だったのが、登場人物の紹介欄です。
例えば、「フォスフォフィライト」にカーソルを合わせると、その宝石の紹介コメントと共に写真もポップアップされるのですがフォスの髪の毛などの淡い緑…
原石の色が忠実に再現されていたんですね。
フォスの緑…アニメでも綺麗な色だと思っていましたが、wikiで紹介されている写真も見惚れるほど綺麗な緑色でした。

体から銀色の毒液を無尽蔵に出して操る能力を持つシンシャ…の原石は、水銀の重要な鉱石好物なのだそうです。
銀色の毒液と水銀…って繋がりますよねｗ