シャベール大佐 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
悪の描写がえげつない、変わり種ヒーロー物
初老の会社員・犬屋敷壱郎と高校生・獅子神皓の2人が、偶然UFOの墜落に巻き込まれ、身体を超強力な機械兵器に改造される、といった設定のSF作品。ノイタミナ枠で全11話。
内容的には簡単に言えば、悪いことをするやつがいて、主人公・犬屋敷が立ち向かうみたいな物語ですが、その「悪」側に位置する獅子神も、もう1人の主人公のように詳しく描かれています。序盤の印象では、普通のヒーロー物の物語を、全然かっこよくない老人キャラを主人公にすることで目先を変えただけのようにも思えて、あまり感心しなかったのですが、観続けていると全体の流れも個々のエピソードも結構丁寧に描かれていて、最後まで退屈しませんでした。ただ、悪をえげつなく描くことによって物語への吸引力を高めているような作風には好感が持てず、感動っぽい展開があっても、終始やや冷めた目で眺めていました。
作画はアクションシーンの出来が良く、全体的にレベルが高いのですが、そもそも描かれている対象があまり美しくないので、映像だけでも観ていたいと思わせるような魅力は感じませんでした。声は、犬屋敷を俳優の小日向文世が演じていて、個人的には嫌いではなかったです。音楽も、普通に悪くなかったです。
今期はこの作品以外にも、人が殺し合うような作品が複数ありましたが、観ている人に感動をもたらすための下準備としてたくさんの人を殺す作品というのは、人殺しをゲームやギャグのように扱う作品と比べて、その下品さにどれくらいの差があるのだろう?などと、ちょっと考えてしまいました。