cross さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
マイナースポーツを題材に非常に見やすく完成度の高い24話【総合評価:79点】
2017年夏から全24話で放送された2クール作品。
月刊少年マガジンにて連載中の漫画が原作となっています。
視聴のきっかけはYouTubeを視聴していた際に2クール目のCMを目にした事です。
競技ダンスというマイナースポーツを題材としながら、スポーツ系の直球な熱い展開を感じ取れた事で一気に興味を持ちました。
余談ではありますが、途中から視聴開始し、一気に放送まで追いついて、続きが気になって原作も購入してしまいました。
まず、この作品の特徴を挙げるなら
競技ダンスと言う基本的にあまり馴染みのない競技を題材としている事からの新鮮味ですね
馴染みのない競技ダンスですが、ルールやダンスの基本なども作中である程度ではありますが説明してくれます。
多くのスポーツ系の作品が持つ、ライバルとの熱い戦い、そこに至るまでの努力、葛藤を描くと言った定番の流れも踏襲されていて、新鮮味とスポーツ系の作品の定番故の安定感が見事に融合されています。
もう一つの特徴として、競技ダンスが芸術スポーツであるが故にダンスシーンの表現に特に力が入っていると言う事です。
とは言え、こう言った芸術的な表現に対して、正直な話、自分の教養の低さもあるので正当に評価できないってのはあります。
そんな自分の意見ではありますが、ダンスシーンの表現もこの作品の特徴なのではと思います。
物語の面については
将来の夢も趣味もない中学生の主人公が、カツアゲに遭ったところをプロダンサーに助けられたことで、競技ダンスと出会うと言う流れからスタート
何か一つでも胸を張って好きだと言えるものを求めていた主人公が競技ダンスの世界に飛び込んでいく。
そして、同年代の選手に触発され、どんどん競技ダンスに青春を捧げていき、その過程で主人公は自分という人間と向き合い、ダンスの技術だけでなく、人間としても成長を重ねていく。
競技ダンスと言うマイナースポーツを題材としていますが、しっかりとスポーツ系の作品の王道は踏襲されています。
構成面にしても、しっかりと練習や人間関係を描いてから試合、試合中も選手達の心理描写もしっかりとしています。
24話で必要な要素を過不足なく上手く詰め込んでいて、テンポ良く物語としてキリの良い節目までしっかりと描けてます。
構成面において、かなりバランスが取れている作品ですので、24話と言う長さも気にならないと思います。
作画の面に関しては
作画の綺麗さという面においては可もなく不可もなく、24話を通して特に大きく崩れる事もなく、逆に圧倒的な作画の回もあるわけではなく
全体を通して安定していた言う点は評価すべき点だと思います。
とは言え、少しキャラクターのデザインやダンスシーン等の競技としての芸術面を表現するシーンには多少なりクセがあります。
個人的には全く気にならないし、ダンスシーンでの芸術面の表現などはこの作品の大きな特色であります。
しかし、アニメと言うのはどうしても映像作品、視覚による好き嫌いは大きいですからね
キャラクターと競技中の表現、ここのクセが気になってしまうとどうしても視聴を続けるのは難しいかなと言う感じはありますので、そこは皆さんの感性次第で視聴してみるか判断してください。
キャラクターに関しては
デザイン的な面では、作画の面でも触れたように少しクセもあるのかなと言ったレベル。
とは言え、原作の方がクセがあり、アニメの方が受け入れやすいデザインになっています。
そして、重要なキャラクターの内面に関しては、主人公の競技ダンスへの情熱、そして競技ダンスと周囲の人たちとの交流により人間としても確りと成長していく様が描かれています。
主人公以外に目を向けても、それぞれの競技ダンスへの情熱と競技者としての苦悩をしっかりと描けています。
こう言った主人公以外のキャラクターへの掘り下げも確りと行われているので、作品としての深みもあると思います。
声優に関しては可もなく不可もなく
アニメから入った自分としては特に違和感はありません。
豪華声優陣と言う訳ではありませんが、悪目立ちするような下手な演技もなかったように思えます。
音楽面に関しては
作中のBGMや効果音は平凡、競技ダンスで使われる曲もそもそも競技ダンスをこの作品以外で触れた事がないので評価は出来ません。
ですが、OPとEDに関してはかなりの好感触です。
1クール目
[OP] 10% roll, 10% romance (UNISON SQUARE GARDEN)
[ED] Maybe the next waltz (小松未可子)
2クール目
[OP] Invisible Sensation (UNISON SQUARE GARDEN )
[ED] Swing heart direction (小松未可子)
以上の4曲が主題歌となっております。
見ていただければ解りますがOPとED両方で1クール目と2クール目の歌手をそのまま起用していますね。
このお陰で主題歌が1クール目と2クール目で一気に雰囲気が変わり違和感が出ると言うのはないです。
自分としては結構1クール目の主題歌から2クール目の主題歌に変わったときにガラッと雰囲気が変わり違和感を覚えてしまう事も多いので
自分としてはOPはどちらもお気に入りです。
特に2クール目のInvisible Sensationはアニメが終わっても聞いているぐらいです。
と言う訳で音楽面に関しては、BGMや効果音は可もなく不可もなくですが、主題歌は非常に高評価と言ったところです。
以上、『ボールルームへようこそ』のレビューとなります。
作画の面においてキャラクターデザイン、ダンスシーンでの表現のクセがあり、万人受けとはいえません。
しかし、物語の面においてはスポーツ系作品の安定感とキャラクターの魅力を確りと引き出す密な描写が完成度のある24話だと思います。
未視聴の方はお時間ありましたら、是非一度視聴してみてはいかがでしょうか?