シャベール大佐 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
緊張と弛緩のバランスが絶妙なファンタジーアニメ
身体が宝石で出来ている少女(少年?)たちが、空から襲い来る謎の月人(つきじん)と戦う、ファンタジーアニメ。全12話。
毎週楽しみに観ていました。本当に面白かったです。
この作品を観ていて、いちばん強く感じたのは、物語の緩急、あるいは緊張と弛緩のバランスが絶妙だということです。
宝石たちの日常を描く部分では、最弱で、役立たずだけれど、いつも飄々としていてユーモアを忘れない主人公・フォスフォフィライトのキャラもあってか、笑える場面も多々あり、そういったときのギャグの見せ方や間の取り方なども上手なので、とても楽しめます。
一方で、宝石たちにはそれぞれに強度の設定があり、脆い宝石などは、いとも簡単に壊れてしまったりするので、それらのキャラを観ているときには、心のどこかに、大切な「こわれもの」を扱うときのような不安や心配が常に(日常パートですら)あって、それが月人との戦闘ともなると、普通のバトルアニメとは一味違う緊張感をもたらしていました。特に終盤のエピソードには、ちょっと異常なくらい緊迫感のあるシーンもあったりして、ドキドキ度合いが半端ではなかったです。また、月人という敵が、なにを考えているのか全く読めない、完全に謎の存在として描かれていることも、作品の底が見えないという効果を生んでいました。
3DCGによる作画は、宝石たちのキラキラ感も美しかったですし、なんといってもアクションシーンの動きや見せ方が素晴らしかったです。背景画や月人の姿などにも魅力があって、世界観のセンス自体も良かったと思います。
音楽は、「宝石の国」というイメージに相応しい透明感のあるOP曲が印象に残りました。ED曲やBGMも悪くなかったです。
声は、主役の黒沢ともよが好演。ダイヤモンドの茅野愛衣も役柄にぴったりでした。その他のキャラにも人気声優が贅沢なほど揃っていて、全体的に良かったです。
最後まで観終わって、宝石という素材を上手に活かした設定の中で、笑いあり、ハラハラドキドキあり、ストーリー自体も面白く、キャラの個性もしっかり描かれていて、とても良い作品でした。続きが非常に気になるところで終わっているので、是非続編を期待したいです。