Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
限界を超えて、踊れ。
この作品の原作は未読です。
レビューに辿り着いた方には言わずもがな、な事だとは思いますが、競い合う社交ダンスを取り扱った作品です。
正直これまで社交ダンスに興味を持った事は一度もありません。
そこそこ年齢を重ねた私が社交ダンスに対してこんな感じなんです。
ですから少年誌で連載されていること自体まったく知りませんでしたし、少年にダンスそのものが支持されるとはとても思えませんでした。
だから、この作品に触れる前は視聴を悩んだ作品でもありました。
自分にはダンスの面白さや魅力は絶対に理解できないと思ったからです。
でも気になる点…パクっと食い付きたくなる点が幾つかあったのも事実です。
まず出演される声優さん…
女性陣はあやねる、赤崎さん、能登さん、悠木さんに寿さん…
そして男性陣は岡本さんに櫻井さん…
もう早々たるメンバーが揃っていると十分に言えると思います。
そしてもう一つ…
少年誌からアニメ化されるという事は、それなりの人気がある証…
これらを勘案すると、1話も見ずに視聴を諦めるのは勿体ない作品に思えてきました。
よし、まず視聴してみようか…
これが私とこの作品との接点になった訳ですが…
いやぁ、視聴して大正解…
自分勝手な理由をこじつけて…それを敬遠する理由にするなら、一旦受け止めるのがやっぱり私の本分だと再認識しました。
なぜならこの作品の持つ熱量は、放送された夏、秋アニメの中でもトップクラス…
毎回の視聴が楽しみで、毎朝眠い目をこすりながら朝一番で視聴するスタイルが定着するくらいこの作品には身も心も焦がして貰いました。
この物語の主人公は、目標もなく無気力な毎日を積み重ねる中学3年生の富士田 多々良…
ある日多々良は、偶然にもプロダンサーとの接点を持つこととなります。
奇しくも接点を持ったプロダンサー…仙石の指導を仰ぎながら同級生がプロのダンサーを目指して懸命に努力を積み重ねているとこをを目の当たりにするのです。
しかも、プロダンサーを目指す同級生は自分と同じ側の人間だとばかり思っていた人…
気持ちの整理ができずグチャグチャな心模様でダンスと対峙するのですが、これが多々良の導火線に火をつけることになり…物語が動いていきます。
元々は半分自分探しで始めた社交ダンス…
でも物語の開始早々…目の前に広がるのは競技ダンスに対する選手の直向きさと溢れかえるほどの情熱…
具体的に何が凄いかは分かりません。
でも分かっているのは、ダンスの事は何一つ知らないはずなのに選手の言動に見ているこちらの胸が昂るんです。
競技ダンスってこんなにも熱いんだ…
一度この熱に触発されたら…もうこの作品の虜になっていました。
ストーリーは単純明快…
多々良が周りにいるアマチュアトップクラスのダンサーと肩を並べるべくダンスに邁進していく…というものです。
だから魅せ場はこの作品のテーマであるダンスだけ…
そしてダンスは一緒に踊るパートナーによって、全く異なるモノになるということをこの作品から教えて貰いました。
基礎から構築されたダンスの本質はきっと不変…
ですが、パートナーと一緒にどんな景色が見たいか…
或いはどんな高みを目指したいか…
つまりパートナーと一緒に背負った荷物の質と重さで、結果がまるで変わってくるんです。
前半のパートナーは赤城 真子…
そして高校に進学して緋山 千夏というパートナーに出会う後半…
もちろん、多々良が成長した部分も相当大きいと思いますが、見違えるほどの違いを感じます。
見違えるほどの違いを感じつつも、どちらも甲乙付け難いくらい女性が素敵であること…
これがこの作品の素晴らしいところだと思います。
たかが社交ダンスと侮って触れると、きっと火傷してしまうほどの熱量を持ったこの作品…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、UNISON SQUARE GARDENさんの「10% roll, 10% romance」と「Invisible Sensation」
エンディングテーマは、小松未可子さんの「Maybe the next waltz」と「Swing heart direction」
どちらの曲も格好良くて大好きです。
2クール24話の作品でした。
2クールに突入することを知った時、素直に嬉しさを感じましたが2クールすらあっという間だった作品でした。
物語の終盤、もっと視聴したい欲求に支配されていましたから…
これまでで一番、緋山 千夏が可愛いと思えた最終話…もう終始鳥肌モノでした。
続編の放送を楽しみに待たせて貰います。