おぬごん さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
CGアニメの可能性を示した力作
アフタヌーンの気鋭の作家・市川春子の漫画が原作
京極尚彦監督、キャラデザの西田亜沙子、音楽は藤澤慶昌とラブライブ無印のメインスタッフが名を連ねるややあざとい陣営を、シリーズ構成はTVアニメの経験も深い大野敏哉、さらに脚本の半分以上をベテラン筆安一幸(本作は漢字名義)が支える豪華スタッフ陣
ちなみにMXでは放送枠がラブライブサンシャインの前だったりw
さて、この作品の特徴は何と言っても全編CG作画だというところですね
『蒼き鋼のアルペジオ』『シドニアの騎士』『亜人』など昨今フルCGのテレビアニメも増えてきましたが、それらの作品はCGアニメとしてのメリットが活かされる一方で、特にキャラ(人物)作画の違和感が強く、「フルCGじゃなくても良かったんじゃ」という印象が拭えなかったように思います
ところがこの作品のキャラ作画は手描きアニメとほとんど変わらず、違和感もほぼありませんでした
このあたりは作画を落とし込むCG技術ももちろんなんですが、西田亜沙子と京極監督がラブライブで培った、CGを前提とした上でのデザイン・絵作りの技術が発揮されていたのではないかと思います
ラブライブではライブシーンで手描き作画とCGの融合がなされていたわけですが、本作は逆にCGが手描き作画に限りなく近づけられていたというように感じました
また戦闘シーンのめまぐるしいカメラアングルに加えてこの作品ならではのキャラの欠損シーン、すなわち宝石が砕け散るシーンや{netabare}辰砂の水銀、後半のフォスの合金{/netabare}などCGならではの描写も迫力や美しさに溢れていました
こうした魅せたいシーンをしっかりと魅せる力は、京極監督の真骨頂ですね
関係ないですが、正直ラブライブ無印にあってサンシャインに無いのはまさにこれだと思います
難点はやや前半がスロースタートなのと、原作未完作品恒例の尻切れラストですかね
個人的には作品のピークは{netabare}ダイヤの死闘が描かれた{/netabare}10話でした
キャラクターはやたら多くて当初困惑しましたが、ストーリーと共に何となくメインとモブが分かるので問題なし
特にダイヤちゃんの可愛さはヤバかったですね!!
ぶっちゃけ後枠の黒澤ダイヤちゃんより可愛かったような…w
艦これとかもそうですけど、あざとく可愛いキャラを嫌味なく可愛く演じられる茅野愛衣は本当に凄いと思います
あと(中の人繋がりで)Fateの綺礼並に露骨に怪しいのに割と愛されキャラな先生も良かったですw
声優は若手からベテランまで人気女性声優が勢揃い
主演の黒沢ともよの演じ分け、先述の茅野愛衣のあざと可愛い演技、伊瀬茉莉也とあやねるのイケボが印象的です
音楽もストリングス中心で美しく繊細で、特に緊張感を煽る場面での使い方が良かったです
フルCGというツールを豪華スタッフが活かしきった、TVアニメの未来を感じさせる力作だったと思います
京極監督の次回作に期待!
〜余談〜
放送中に流れた原作漫画のCMのナレーション
「あなたはまだ知らない…彼らがなぜ生まれ、なぜ戦うのかを」
いやそりゃ漫画読んでない人は知らないでしょ(笑)