おぬごん さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ゆるふわ日常系と思いきや、一話完結回の完成度が凄い
原作はコミック百合姫S→月刊コミックバーズと掲載誌を変えて連載中の漫画
掲載誌移籍に伴いタイトルが「此花亭奇譚」から「このはな綺譚」に変わったようです
内容はこの世とあの世の狭間にある温泉宿を舞台に、主人公たちケモミミ狐っ娘の中居とお客(死者、死にそうな人、物、神様などなど)とが織りなすハートフルストーリー
温泉宿の設定は『千と千尋の神隠し』を思い出しますね
あと和風な世界観とケモミミから『うらら迷路町』を思い出した人も多そう?
1~4話くらいは各キャラの紹介的な話が続きました
この時点では温泉宿ということで風呂シーンが多めなのと、元百合姫掲載ということで百合成分が若干強めなくらいで「よくある日常系アニメ」程度の印象でした
ただ5話の梅雨の回あたりからの、一話完結回こそがこのアニメの真骨頂だったと思います
この作者、そしてスタッフ、ストーリーテリングがめちゃくちゃ上手いんですよね
話やキャラの見せ方、伏線の貼り方、ギャグとそうでないシーンのバランス、そしてほっこり感動させてくれるオチ
特に一見無関係な3つの話がラストで繋がっていく8話と、最終回12話は見事でした
日常系アニメでほっこり安らげるというのはよくあることでしたが、それ以上の感動をくれたアニメでした
キャラクターでは、主人公の柚が徹頭徹尾とにかく純粋でいい子で天使なのが良かったですね
ここがブレなかったお陰で、常に優しく温かい話になっていたんじゃないかと思います
作画は絵の綺麗さを最重視するかわりに、なるべく動かさないようにしていた印象
ただ先述の5話の梅雨回に代表されるように、動かさないなりの美しい演出が光ったように思いました
音楽担当はお勤めを終えて帰ってきた(笑)euphoniusの菊地創
OPも劇伴も良かったんですが、それよりOPのriyaの歌が以前にもまして下手になっててちょっと残念でした
声質にステータス全振りしてるような歌手ですが…ブランクがモロに出た感じですかね
途中からテレビではなくニコニコ動画で視聴していたのもあり、予想以上の感動と喪失感を感じた作品でした
単なるゆるふわ日常系に収まらない良作だったと思います
~余談1~
最終回に登場した宇迦之御魂神を演じたのは桑島法子
そしてそのお使いの一人を演じたのは大空直美
いなこんファンの私、大歓喜でした
『いなり、こんこん、恋いろは。』の監督だった高橋亨助監督のはからいですかね?
~余談2~
皐を演じたのは元SKE48の秦佐和子
『AKB0048』の時は声優志望と言いながらあまりの下手さにひっくり返りましたが、
かなり、少なくとも聞けるレベルには上達していましたね
まだまだ他の声優に比べれば見劣り(聴き劣り)しますが、少し感慨深かったです