タケ坊 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
作風はかなり好みだが少々淡白な印象
☆物語&感想☆
電撃25周年を記念して制作された「キノの旅」リメイク作品。
自分は旧作は未視聴で原作も読んでません。
人気作品ということで期待して観させてもらいましたが、
自分がイメージするラノベアニメらしくない、
よく考えられたエピソードとオチはラノベというより普通の小説に近い感覚を受け、好印象でした。
こういうラノベ原作作品なら今後も大歓迎なんですけど笑
基本1話完結のロードムービー系の物語ですが、
「世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい」という言葉通り、
殆どちょっと、いやだいぶおかしな国ばかりでしたね。。
まぁそうでないと話にならないとは思いますが。
時にはそれで良いのか、何だかなぁとモヤッとしたり、
少し考えさせられたり、なるほどと納得させられたり...
色んな国や人々が出てきて興味深かったです。
当然反面教師としての側面が多く、如何に現在住んでいるこの国が作品中の国と比べてまともかと感じますが、
世界を見渡せば自分たち日本人の常識が通用しない、
まともじゃない、作品中にも出てきてもおかしくないような国も結構ありますよね。
それも結局言ってしまえば価値観、歴史、文化、宗教などの違いで、
向こうからすればこっちがおかしい、という見方も出来るわけで。。
で、この作品の良い所は「正しい答えや価値観はこうだ」と一方的な提示はしないで、
観る者がそれぞれどう感じるかを委ねているところですね。
作風としてはとても素晴らしいものですが、個人的に欲を言えばオムニバス形式で構成的には毎回同じなので、
もう少しエピソードにカタルシスを喚起させるようなインパクトがあったらな、と思ったり。
小説として読むぶんには恐らくこれで何も問題ないんだと思いますが、
アニメとして週一で観るぶんには少々淡白というか、あと一歩突き抜けた爆発力があれば、とも。。
最終話が何故あのエピソードなのか、っていうのも少々疑問。
☆声優☆
キノの声優が悠木碧っていうのは、最初は気付かなくて驚きました。
これまでの役柄は大抵聞けば判る感じの声だったので、
改めて演技と声のトーンの幅広さを感じました。
最終話の羊に何故あんな豪華なキャスティングをしたのか...意味が解らない笑
☆キャラ☆
オムニバス形式かつ物語の内容上、そもそもあまり各キャラを堪能するという感じの作品じゃないのかなと。
主人公キノの過去なども描かれてはいましたが、
物語の中でキノが殆ど傍観者的な立場で、
主体的に何かをやろうとする訳でもなく受け身なのは、
当然一旅人で部外者なので当たり前なんですが、存在感が薄くやや物足りないと感じることも。
これは師匠のエピソードが面白かったから、余計にそう思えるのかもしれません。
基本的にあまり感情を表に出さないタイプで何考えてるかは語らないですし、
途中で出てきたキャラも同様にフラットな感じで少し淡白な印象。
これはキャラの言葉より観た人間それぞれが感じたり考えてもらいたいという作者の意向なのは明らかですが、
一般的なアニメ作品として言えば、自分はキャラの台詞や思いに感情移入したり共感できるか等を重視するので、
点数としてはそんなに高くは付けれません。
フラットな点数、が妥当かと。
☆作画☆
人物、背景にCG、全般的に際立った所は無いものの悪くもないといった仕上がりだと思います。
☆音楽☆
やなぎなぎのOP、EDが作品の世界観には凄く良く合っていますね。
BGMではジムノペディ風の浮遊感のあるメロディなどが、なかなか印象的で良かったです。
もしかしたら、って言うか旧作観てからの方がもっと楽しめたかもしれませんね。
機会があれば観てみようかなと思います。