おぬごん さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アンドロイドは正義の味方を夢見るか
「GANTZ」で知られる奥浩哉が、講談社に移籍し描いた漫画が原作
原作自体は今年(2017年)の7月に完結済みで、来年4月に実写映画が公開予定です
メディアミックス前に原作が終わるのは珍しいですが、アニメ(実写)オリジナル展開を防ぐためでしょうか…?
さとうけいいちが昨年のGANTZ:Oに引き続く総監督、 キャラデザ・総作監の恩田尚之は13年前のTVアニメGANTZでも同じ仕事をされており、万全の体制でのアニメ化と言えるでしょう
ストーリーは宇宙人に改造され機械の身体となった2人が、自分が人間であることを確認するために苦悩する物語
主人公&タイトルはその片方で、老人にしか見えない老け顔の58歳・犬屋敷壱郎にちなみます
ところでGANTZはその人気の反面、まあネットで叩かれる(馬鹿にされる)ことの多い作品でしたw
この作品には奥先生のそれらへの反抗というか怒りというか、破壊衝動が多分に含まれていたように思います
(あとジャンプコンプ(笑)講談社でよくやれたなw)
もう「そこまでするか!?」ってくらいの破壊・殺戮シーンが、現実感を残した上で繰り広げられるんですよね
現実感を描写するための人間描写・社会描写も巧みだったと思います
それらの殺戮の対象も少なからず現代人の共感できるようなものであったりするので、爽快感を覚えてしまったり…{netabare}ヤクザやねらー、警察、ミヤネ…{/netabare}心の底で「ぶっ殺してやりたい」なんて思ってる人も多くいるのでは
…自分で言っててアレですけどヤバイですねw
犬屋敷の活躍も獅子神の暴走も、とにかく勢いがあって引き込まれました
正直ツッコミどころは満載なんですけど、それを気にさせないレベルの面白さがあったと思います
ラストも含めストーリー自体は勢いに任せた感もありましたが、根底に死生観や人生観、人間としてのアイデンティティといった普遍的なテーマが流れていたこともあり、薄いストーリーにはならずに済んでいたように思います
あと虐殺描写も含め、可能な限り規制せず放送させたスタッフ&局も称賛したいです
{netabare}特にホモフェラとかミヤネとかw{/netabare}
犬屋敷を演じたのは、当代きっての名優・小日向文世
声優の演技ではありませんでしたが、ギャグシーンでは大いに笑わせ、シリアスではグッと来る演技は流石でした
安藤役の本郷奏多は実写と同キャストだそうですが、こちらは声優経験もあるためか全く違和感ありませんでしたね
…ただ獅子神役の村上虹郎は…良く言えば機械のような存在感ある演技でしたが…
しかしせっかくのノイタミナですからね
俳優起用、特にメディアミックスを見据えたようなキャスティングは歓迎したいです
個人的には2017年秋、最も楽しめた作品でした
これだからノイタミナはやめられない!
~余談~
6話のサブタイトルは「2chの人たち」
まさか作者もスタッフも、放送時に2chが5chになっているとは思わなかったでしょうねw