plm さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
胸糞からのスカッとする激しい展開落差
※残虐描写あり
今期(2017年秋)の中で最ものめり込んで見ていたアニメ
展開は何かと唐突だがメッセージ性は強く
人間の残酷さ、そして人間の尊さの両極端をダイレクトに伝えてくる作品
リアル調な絵、声優の演技もあって真に迫る演出で没入感は高かった
■絶対的な悪がいるからこそ正義は輝く
何かの素晴らしさを描こうとするとき、皮肉なことに
その正反対のものを描くほど対照的に何かの素晴らしさは際立つ
この作品はとんでもなく残酷で不快な悪が登場し、悪の描き方にリミッターがない
これだけを見せられたのでは作品として嫌な気持ちになるだけのマイナスでしかない
けれどそういった悲劇があるからこそ、それが逆転される展開が
圧倒的な救いというプラスになって一転、気分が良くなってしまうのだ
■獅子神 皓
この作品のもう一人の主要キャラであり、作中の最大悪でもある
キャラは人物のように描かれてはいるが、もはや機械の怪物でしかない
彼を想う母や友、彼女の声は彼の心根に届くことはなかった
たびたびこのキャラの感情に訴えかけるような描写があるが
しでかしたことがあまりにひどすぎて何一つ同情できない
逆に獅子神の心情描写に関してはただの不快要素として積み重なっていった
人間味がないというか、動物並の知覚力とでもいうのか
その時々の衝動で自分のやりたいように振る舞う様
後先のことや他人や物事を深く考えることができない浅慮っぷりが目立つ
正直魅力に欠けるキャラクターだった
もっと早い段階で1面ボス程度の扱いでやられてくれたらよかった
■犬屋敷 壱郎
本作のヒーロー
どこか幸薄そうだけどどこにでもいそうな一般人サラリーマン
それが強大な力を得て人々を救っていくというギャップがいい
機械の体を見て自分のこととは思えない驚きっぷりのリアクションがまたいい
貧弱そうな型で不良と戦うも強いのがシュールでいい
ひどい目に合った人を見て自分のことのように悲しがるのがいい
病に絶望して生に対して切実だったり、家族と冷ややかな関係になりつつも愛情は根っこにある
そんな情を犬に注いだり、やっぱり家族にも愛されているところがいい
すごく人間味に溢れているのが良いキャラだった
犬屋敷さんの活躍を見るために見ていたといっても過言ではない
◆まとめ
序盤は特に犬屋敷さんの活躍が見れて面白かった!
中~終盤は獅子神パートが増えてあまり好ましくない内容に
9話あたりやけくそみたいな展開になってかなり落胆
10話は盛り返すも最終話は随分あっさりとしていてなんだか打ち切りみたい
総合するとかなり楽しめていたけどイマイチ視聴後感はよくない惜しさがあった