たわし(爆豪) さんの感想・評価
2.0
物語 : 2.0
作画 : 2.0
声優 : 2.0
音楽 : 2.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
日本のアニメの良さを全て破壊している。
今やアメコミは飛ぶ鳥を落とすの勢いである。ディズニー傘下に至ったMARVELの映画の興行収入は一兆円を超え、対するDCコミックも重い腰を上げてシェアワールドを築き、日本でもキャラクター認知度に加えて世間的にキャラクターグッズ関連も売れ、月に何冊ものアメコミが書店を覆うようになったのもここ最近の話である。
しかし。。
アメコミが日本漫画以上に多様的になったのはつい最近の話であり、80年代のウォッチメンやバットマンシリーズなどのハードボイルド系での復活から90年代末の衰退まで。。幾度となく危機に陥っていたこともまた事実であり、最近のアメコミは日本のアニメの影響をふんだんに取り入れて、作画も内容も実に日本漫画に近いものになっていると個人的には思う。つまり、映画も含めて日本が培ってきた技術を取り入れて進化したのだ。
では、MARVEL最高責任者であるスタンリーが企画した日本発アメコミアニメ「THE REFLECTION」はどうだったか。
残念ながら、以前作った「HEROMAN」以上の駄作である。日本のアニメはアメコミにはない空間演出や作画技法があり完全にそれを封印してしまっている。本家のアメリカコミック作家ですら、色彩やコマ割りを日本のアニメ的に観やすく昇華しているのに、逆に先祖返りさせてどうするのだろうか?以前、「X-MEN」のアニメを評価したが、あの作品はアメコミを日本の漫画、アニメ風に置き換えることによる新鮮さ、文化の違いが理解できるようになっているのに対し「THE REFLECTION」はそこを完全に抜いてしまっている。まだ「タイガー&バニー」の方がアメコミを日本風に置き換えるという点で良かったと思う。
スタンリーは80年代に、当時気鋭の作家、アランムーアやフランクミラーにその一辺倒な編集方針を批判されている。MARVELだけに限らないがもっと視野を広く持って制作して欲しい