おぬごん さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
茶番 presented by 西尾維新
「物語シリーズ」の西尾維新の小説が原作
原作イラストは「聖☆お兄さん」「荒川アンダーザブリッジ」の中村光
(講談社・シャフト繋がりなんですかね?)
中村先生のエキセントリックかつスタイリッシュなデザインや声優の豪華さもあり、SNSなんかでは女性人気が目立ったように思います
内容は、十二支の名を背負った12人の戦士たちによるバトルロワイヤル
バトルロワイヤル物の肝はいつ誰が死ぬか分からない緊張感、バトル自体の面白さに加え、共闘や裏切りも含めた個々の戦略にあると思います
ですがこの作品、これらの面白みが意図的に排除されてるんですよね(笑)
厳密に言えば、中盤から作品の仕組みがバレバレになるせいで、それらへの期待が失われるといった感じですが…
いつ誰が死ぬか?十二支のケツから順に死ぬぜ!
しかもご丁寧に回想後にあっさり死ぬぜ!
バトルの面白さ?ほぼ全員油断で死ぬぜ!
能力の説明も省くぜ!龍が飛ぶのは当然だよな!
戦略?死ぬ順番が分かってたらあって無いようなもんだね!
…あと「死んだと思ったら生きていた」という定番の展開を、戦略でなく能力で、それもよりによって1話でやってしまったのも、面白みの喪失に繋がっていたと思います
バトルロワイヤル物へのアンチテーゼだったのかもしれませんが、これらの要素は致命的でした
また作品の大部分を占める登場人物の回想なんですが、これがほぼ登場人物へのキャラ付けで終わっちゃってるんですよね
ストーリーへの影響、フィードバックがほとんどないんですよ
で、せっかく時間かけて過去を描いたのに、そのキャラは直後にあっさり死んじゃうし…
そんな中、唯一と言っていいくらい過去が有効に描かれたのが寅ですね!
丑寅尊かった…2017年ベストカップル候補です
正直丑寅がいなかったら評価も相当低かったかも…
ストーリーが茶番な分、キャラに感情移入できるかが大事な作品だったと思います
まあ繰り返しますがそのキャラもすぐ死ぬんですが
ただここまでこき下ろしてきましたが、それでも観れるレベルにあったのはさすが西尾維新なのかなーと思います
今作、別に言葉遊び的なギャグや会話も乏しかったのにね
あと星新一的なラストも嫌いじゃないです…あれのせいで作品全体の茶番化が決定的になりましたが…
茶番を茶番と分かった上で楽しめるか
茶番に気付かずに楽しめるか
もしくはすぐに死んでしまうキャラに感情移入できるか
これらができないとあまり楽しめない作品かと思います
余談ですが、EDはなんとDo As Infinity!
久々に見た!(笑)