じぇりー さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
うどん好きな方が空腹時に見ても大丈夫な作品です(多分
地方が舞台、方言、子育て、食べ物、日常系に少々のファンタジーをプラス…とほのぼの要素全開の作品。
主人公の宗太が、香川でうどん屋を営んでいた父の死をきっかけに東京から帰郷するところから物語はスタートする。
タイトルと、この導入部分でなんとなく、「あ、これは宗太がうどん屋を継いで、地元の人と触れ合う感じのハートフルストーリーなのかな」と思ったが、どんなに見進めても「うどん要素」は申し訳程度にしか出てこない。
うどんに限らず、食事テロ感も殆どないくらいに食べるシーンは少なく、宗太と化け狸の子供ポコとの疑似親子的な関係性が主に描かれている。
問題はそこなのだ。
私のように、本作のメインテーマを「親子」「子育て」「家族」と捉えて見た場合、どうしても腑に落ちないのが、宗太のポコに向ける無償の愛情の根拠だ。
原作でその点がどのように描かれているのかは知らないが、少なくともアニメ版に限って言えば、出会ってからかなり早い段階で宗太はポコに対して自己犠牲的なまでに深い愛情を注いでいる。
しかし、彼をそうさせるほどの強力なイベントが作中で発生したようには見受けられない。どう見ても、「成行き上」という感じ。
ここが、この作品の最も説得力に欠ける部分で、従って残念ながら思う程の感動には浸れなかった、というのが正直な感想だ。
Cパートに作中キャラクターのガオガオちゃんの絵本のようなショートストーリーがあり、次回予告をうどん県副知事である要潤が担当している点が少し目新しいくらいか。
物語で魅せるという点においては、今一つ力及ばずといった印象だが、香川県の観光地アピールに関しては、2時間モノのサスペンスドラマばりに力が入っている。
ここまで来るともう何を主軸に置いたアニメなのか分からない。
アニメというメディアを使っての「町興し」というのは最近割とよく目にするが、成功に至らせるのは難しいのではないか…と感じた次第。