空知 さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
作画は個人的に絶賛レベルでしたが、内容は夢がない
原作未読。
好みの問題ですけれど、絵は絶賛レベルです。
見始めてすぐ、ここ最近でこれほど強く印象に残る作画はないと感じるほどの作画。
実力のある女性アニメーターが細部にこだわって描いてます(髪の毛、瞳やまつげは特に丁寧に描かれていました)。
時々入るカット割りや水彩タッチなど、凝ってます。
色合いもとても綺麗。ヒロインの髪に用いられている紺色系や、瞳の中の紫や緑、青などのバランスがとても印象的でした。構図、フォント、全てが僕の好みです。
簡単には5.0って付けないんですけど、5.0を付けても良いと思える作画でした。
声優に関しては、島崎信長さんはハマリ役だったと思います。(4.0)
OP「嘘の火花」ED「平行線」とも良曲。
OPアニメーション、力入ってますねえ。
僕は曲単体ならEDのほうが好きでした。(4.0)
ストーリーに関しては、夢のない作品でした。
大人の目から観ると、音楽教師を除けばさほどのクズはいません。
ただ、中高生も観ている作品でここまで夢のないテーマを扱う必要はあったんだろうか?と感じさせる作品でした。
情報過多になりすぎた社会を生きるということは、ある意味とても不幸なことだと常々感じます。
僕が高校生の頃にはネットなんてなかったので、大人たちがどんな恋愛や性行動をしているかなんて知るすべがありませんでした。そういう意味では幸せだったと思います。
今の時代、「不倫」という言葉を小学生でも知ってますからね。
言葉で表現するのが憚られる性行為の現実を、中高生は当り前のように知ってしまえるネット環境を持っている社会です。
僕の経験からそう思ってしまうのでしょうけど、
アニメくらいは夢のある恋愛であってほしいのです。
僕がラブコメ(特に純粋なもの)を好む理由でもあります。
人間の「性」は理屈を超えた世界です。
「事実は小説より奇なり」とはまさに男女の性愛事件がほとんど。
それゆえに、この手の題材は、純文学で扱われるほど繊細なものであり、実力ある監督によって実写された場合のみ成功することが稀にあるテーマです。
このようなアニメ化には無理があったと僕は感じました。
ただ、改めて一言加えると、作画は2017年の作品の中でも際立つほど個人的は素晴らしいものであり、制作陣には拍手を送りたいと思います。