てっく さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
この作品を通し、教育現場で色んな方向から何が必要で何をすべきか考えて欲しい。 そんな作品。
この子達の様に立派に行動できるだろうか。。。
中学1年生のミライは、日々に物足りなさを感じていた。
夏休みのある日、両親に弟のユウキを押し付けられ2人でお台場にあるロボット展に遊びに行く事になる。
ミライは大人達の理不尽さや自信の未来への不安などからモヤモヤを抱いていた。
そんな不安定な感情をもったロボット展の帰り際、トイレに行った悠貴と離れひとりつぶやく。
「・・・こんな世界、壊れちゃえばいいのに。」
その瞬間、マグニチュード8.0という大規模な地震に巻き込まれる。
ユウキを見つけ出し、無事家路へと辿り着けるか?
序盤、どこか弟を疎ましく思い冷たく当たるミライだが、時折『やり過ぎたかな?』と思う表情が凄く印象的。
姉が弟を想う優しさが見える素敵な表情。
被災後、偶然知り合った大人の女性マリさんと共に家路を目指すことになるが、マリさんも家に我が子・母親を残し出掛けていた為、気が気ではない。
だけど、これも何かの縁とミライ・ユウキと共に行動する。
私達大人は、ビルが崩壊し人が傷付き死に通信手段も交通機関も遮断された『この状況下』で彼女の様な行動を取れるだろうか?
安否を気に掛ける離れた我が子よりも、目の前に行き詰る子供達を見捨てず行動できるだろうか?
家路へ向かう途中に立ち寄った避難所で出会った老人の古市さん。
古市さんもまた被災者であり、更に心に深い傷を負う事になったにも関わらず他の被災者の為に「自分に出来ること」と言い気丈に振る舞う。
「死ぬべきは私でした。生きて欲しい。お若い方々に。。」
まだ携帯やスマホが無かった少年時代。
何気なく友達と遊ぶ約束をし、その口約束だけで出会い遊んでた。
今や携帯やスマホに依存してる社会で、「出会う」という約束が容易になった社会。
作中の姉弟がはぐれた描写を観た時、通信手段が途絶えた状況で冷静に行動できるだろうか?
そんなことが、ふと頭をよぎる。
家族とは。
兄弟(姉妹)とは。
助け合うとは。
そんな当たり前の様に転がっていて忘れがちな大切なモノを思い起こしてくれる。
義務教育では、算数の勉強も必要。漢字の勉強、英語の勉強も必要でしょう。
だけど、この作品を通して自分には『何が出来、何が必要なのか?』を考える時間がもっと必要だと感じた。
そんな素敵な作品。