plm さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
客観視するとテンプレアニメ、でも楽しんでいる自分がいた
なろう原作作品は異世界転生というジャンルが流行しているそうで
この作品はまさにそのお手本を踏襲したような、何のひねりもない始まり方で
苦悩も葛藤もないノーストレス展開で進んでいく
■ファンタジー冒険もの?いいえ日常系です
異世界転生モノといえば冒険物、その先入観が間違っていただろう
テンプレのようでいてこの作品がもっとも異色なのはその点にあるんではないか
ラノベテンプレでは強敵や山場があったりヒロインの描写に何話か割いていくところだが
そういった要素を一切を排除してチート能力で片付けてしまう
ある意味でお約束ブレイカー、テンプレ破りの超展開である
なのでバトル描写なんかもトランプゲームをやっているのと同等なもので
すごく平和的になっている
なろう作品に求められているノーストレス異世界チートハーレムを極限的に突き詰めていった結果
きらら4コマのような平和的日常系に収まったとでも言うのか
川を下って削られて丸くなった石のごとく逆に洗練されたものを感じた
適当なようでいて視聴者に気楽さを与えるための配慮が込められた作品なんではないかなと
ただの天然な可能性もあるけど
■あまりにも潔白
たぶん、この作品に何が足りないかというと毒気である
どんな作品にもある程度の毒がその作品スパイスになったり印象の強調になったりする
でもこの作品はあまりにも潔白で毒気がない
例えば悪役がでても、野党という役割を与えられたモブだったりでそこに人物性はほとんどない
ゲームのNPC的であるといってもいい
なのであまり悪役に対して何かを感じることがない
ヒロイン勢さえも主人公を貶めるようなことはしないし素直に称賛する
主人公はなおさらでやってることは凄くてもゲームの無口操作キャラのような無難な人物性
子供のように無垢な世界である、それだけに優しい
これを幼稚と罵ることもできるけど、どこか童心に帰れる感性でもあった
この毒気のなさが一周回ってなんとなくこの作品に好感を持ってしまう一因なのかもしれない
■ちなみに好きなシーンは
おっさんが女の子たちに交じって人一倍自転車に夢中になって喜んでるところ