シャベール大佐 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
熱さとともに華もある、青春スポーツアニメ
社交ダンス(競技ダンス)を題材にした青春スポーツアニメ。全24話。
毎週楽しみに観ていました。
ストーリーは、主人公・富士田多々良が偶然のきっかけから社交ダンスを始め、同世代のライバルや仲間たちとも出会いながら、努力を重ね上達していく、みたいな王道の展開です。回想シーンの多用でスピード感がやや損なわれている部分もありましたが、全体的に安心して楽しめました。
この作品、最大の特徴は、なんといっても社交ダンスという珍しい題材そのもの。よく知らない世界が描かれているので、競技のルールから教室や大会の様子まで、どれも新鮮な気持ちで観ることが出来ました。また、一般的なスポーツアニメの場合、競技にストイックに打ち込む物語を描くとすると、登場キャラの性別が偏りがちですが、社交ダンスは男女ペアで行うという競技の性質からして、必然的にキャラの男女バランスが良くなるわけで、これは意外とアニメとの相性が良いのかも、などと感じました。
作画は、原作の漫画の絵柄に沿ったものなのか、首や身体のラインなどが個性的で、ダンスの動きの一瞬の切り取り方も、なかなか迫力があって良かったです。止め絵ばかりで動きが足りないという意見もありますが、社交ダンス素人の視聴者という立場からすると、リアルなダンスの動きを見ても、それがどの程度凄い演技なのか、正しく判断できるかは怪しいわけで、フィクション作品内でのダンスの見せ方として、デフォルメの強烈な止め絵での表現というのは「あり」なような気がしました。とりわけ印象に残っているのは、第9話、天平杯での赤城真子の黄色のドレスと花びらが舞うダンスシーン。表情や色彩も美しくて、ちょっと感動してしまいました。
音楽はOP、EDとも、1クール目のほうが好みでしたが、2クール目も悪くなかったです。キャラは、個性の違う女性キャラたちがそれぞれ魅力的。個人的には緋山千夏がいちばん好きでした。声は、赤城真子役の諸星すみれが良かったです。
最後まで観終わって、スポーツアニメとして十分に満足の出来る内容、品質でした。原作がどうなっているのか知りませんが、2期が作られるなら是非観たい作品です。