Takahiro64 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
神アニメ
思春期の葛藤という普遍的なテーマだから人気が出たんだと思う。
僕とエヴァンゲリオンの出会いは、不登校だった中学一年生の夏休みにテレビ東京で放送したエヴァンゲリオンスペシャルナイト。
3倍モードで録画したVHSのビデオテープが、まだ残っています。
カヲル君が登場した24話の最後のシ者は、セリフをほとんど覚えてしまった。
世紀末で、恐怖の大王が来てセカイが滅びてしまうみたいな終末論の番組をテレビでたくさんやっていて、
そういうオカルトを大槻教授が論破する。みたいな。
今考えると、ロマンチックな人が多かったと思う。影響されちゃった人も多かったに違いない。
僕も、エヴァに影響されてしまった一人だ。
庵野監督は、世紀末という時代の空気感をエヴァにつめこんだ鬼才だと思う。終末に向かっていくぞ!みたいな。
メンヘラブームもつくったと思う。
文化放送のアニラジで、声優さんが「続きはニフティの○○番会議室で」とラジオの最後に毎回言っていて、僕はパソコンを持ってなく、ニフティサーブに繋げる人が羨ましかった。
声優さんみんなが恐怖の大王の話をしていて、あれ「洗脳」されちゃうよな。
オウム真理教もアニメを作りサブカルチャーで信者を洗脳していました。
「洗脳」なんて言葉が流行ったり。
ちょうど音楽で、退廃的なビジュアル系、V系ブームもあった。
でも21世紀になったら、セカイは滅びなくて人気無くなっちゃうんだけどね…
僕の家はBSが映ったから、WOWOWでノンスクランブルのEOEを見てました。
エヴァのどの辺が好きかというと、エフェクト、特殊効果、文字デザインがカッコよく、
ATフィールドの幾何学模様(きかがくもよう)が良いですね。カット割りのテンポが良くて最高です。構図も凝っていて気に入ってる。
電柱がある田舎と都市が点在する日本の風景も感傷的で、
そこに登場する巨大ロボットのアクション。ロボットではなく人造人間ですが。
悲劇的なクラシック音楽の引用もカッコよくてセンスがあると思う。
女の子がかわいいし。キャラクターデザインが色の心理学で、葛城ミサトさんは赤+黒の警告色。
綾波レイは青=クールなど。キャラクターの性格に反映されてるのが感心する。
声優の迫真の演技も良いし。僕も綺麗なお姉さんに叱られたい。
特に、心理描写がお気に入りで、僕はとても好きです。
アニメでしか出来ない表現だと思います。さすが庵野監督だと思いました。予算の関係上の苦肉の策だったとしてもです。
最終回は自己啓発セミナーです。
でも、僕はそこが好きで、自己啓発本を読みました。
寝る前に良いセルフイメージを浮かべる時間をつくる。
夜寝る前に見たテレビの内容が夢に出てくるみたいな感じ。
「動け!動け!」と思ったら、動く。
理想が現実を超えるカタルシスがあって、観ていて気持ち良さを感じてしまった。これはアブナイ。
精神世界を象徴するシーンで電車の中にいるシンジが何度も登場します。
電車は他人との距離が近い。あれだけギュウギュウ詰めで、みんな平気な顔してスマホをいじってる。
離れて距離を取って座る人が居たり、無防備に寝てたりする女の人がいたりして面白い。
ATフィールドはパーソナルスペースですね。
リツ子さんが「ヤマアラシのジレンマ」の話をするシーンに代表されるような、
そういう、心理学的な要素を取り入れてるのが面白い。
アングラ要素というか、オカルト的な胎内回帰願望、タブーな近親相姦を匂わせているイケナイ感じなのも惹かれる。
おねショタだし、ロリコン、BL、百合のちゃんぽん鍋。
セミの鳴き声、工事現場の音、街の人の会話、ラジオの内容などすべて意味を持たせてあり、
環境音にもこだわっていて、設定に裏付けされる世界観がすばらしいと思った。
いくらでも深読みして、想像して楽しめる余地を残してある。
エヴァは噛めば噛むほど味が出るみたいなスルメ的な作品で、ブルーレイBOXを買ったから、庵野ワールドに浸れます。
人間は俗な生き物だから、逃げる場所は必要。
現実逃避してもいいじゃないですか。大いに結構だと思います。
他人の不幸は蜜の味なんですよ。最高の評価です。