STONE さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
新しい形の男女逆転ものとも言えるかも
原作は未読。
オンラインゲームと現実が絡み合いながら進んでいく作品だと、パッと思い出したのは
「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」、アインクラッド編以降の
「ソードアート・オンライン」辺りだったが、これまた違った切り口の上に、キャラのほとんどが
大人というのも新鮮だった。
この大人キャラの話し方や考え方などがいかにも社会人らしいもの。他作品にはキャラ設定が
社会人ながらとてもそうには見えず、首を傾げたくなるようなキャラもいるが、本作はそういった
部分に関しては結構説得力を感じる。
基本的にはラブコメディで、往年のトレンディドラマのような空気感が漂うが、メインの
盛岡 森子と桜井 優太の年齢にそぐわない初々しいやり取りがなんとも微笑ましい。
森子が良いところも悪いところも含めて魅力的で、女性としても三十路としての可愛らしさに
溢れている。それを支える能登 麻美子氏の演技も秀逸。
優太の素朴な感じも魅力的だったが、優太のキャストが櫻井 孝宏と、字こそ違うが同じ名字
だったのは偶然だったのか?。
この二人に次ぐ存在だった小岩井 誉だが、時にはコメディリリーフとして笑いを提供したり、
時にはキューピットとして森子と優太を結びつける役割だったりと、いい味出していた。
ネカマやネナベ自体はそう珍しいものではないが、リアルとゲームが男女逆転したまま、それぞれ
ドラマが展開していく流れは面白く、リアルとゲームそれぞれの事象が互いに影響を与えて、次の
展開に繋がっていくというプロットもよくできていたように思える。
一種の現実逃避であるネットゲームでの出会いが、また一歩踏み出すきっかけとなるという、
メインモチーフであるネットゲームの扱い方も良い。
凄いと思える要素はなかったが、全体的に良く仕上がっている感があった作品。
2020/01/03