ぺー さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
5話まではしんどかった
2017.12.17記
原作未読
「あのはな」経由で作品を知り、評価も高かったので視聴。
学園ものラブコメといったカテゴリでは有名な作品ですね。
全25話かけて、メインキャラ二人(逢坂大河、高須竜児)の心情を丁寧に描いた良作で、脇を固める櫛枝実乃梨、北村祐作、川嶋亜美もそれぞれキャラが立っているため青春群像劇としても楽しめるかと思うのですが、5人とも一見ぶっ飛んでるように見え、序盤、彼ら彼女らの言動に共感できるかどうかは物語に入る上では重要な気がします。せっかく丁寧に描いてるのに乗り切れないまま終わってしまうみたいな方もいるんじゃないでしょうか。
小心者のくせに暴力上等のタイガ、面倒見だけ良い人に見えるリュージ、ところかまわずハイテンションみのりん、いいやつだけど超鈍感の北村、腹黒女王様あーみんともちろんこれだけでは言い切れないとはいえ、表向きぶっとびキャラ5人が5人とも若さゆえのイタさを抱えております。それは視聴者誰もが通ってきたり現在進行形だったり自分を重ねられる部分があるものの、それが色濃く出てくるのは中盤以降なんです。
私は、第5話であーみんが登場するまではイマイチ乗り切れませんでした。彼女はガキンチョ揃いのコミュニティに適度なバランスをもたらす存在だったので、これ以降ストーリーは締まっていったように感じました。
それと、音楽について、OPEDもCVが担当しており、いわゆるアニメ声の曲に抵抗がある私なんかだと曲や詞がすんなり入って来なくて感情移入しづらかったです。「普段アニメ観ない人へもオススメの万人ウケ作品だ!」と思って、実際に行動に起こして盛大に自爆してもおかしくない。普段観ない人は、OPEDの雰囲気、ラノベ原作のノリ、作画で拒否反応起こしそうので他人にススめる時は要注意かも。
物語について、メイン二人の家族関係の描写が秀逸で、各々の行動背景にも色濃く影響を及ぼしており、中盤からクライマックスにかけての家族との向き合い方は見ものかと思います。並行してサブ3人それぞれの思いなども絡んで複雑化していきつつもしっかりまとめた脚本は見事でした。
主人公2人の結末以外でとりわけ印象に残った点は、タイガ、みのりん、あーみんたちのやりとりがリアルだったこと。自分の恋心と相手を大切にするが故の思いやりや踏み出しきれない弱気な心など、相反する感情をごちゃまぜにして葛藤している中では、そういうこと言っちゃうよね~というのがとてもリアル。女性の方が見ても女性キャラの振る舞いは納得できるものがあるんではないか?と思います。これは原作も脚本も女性であることが影響しているのかもしれないですね。これから見る方はぜひこのへんにも注目してみると面白いかと思います。
以下、印象に残ったシーンでネタバレ要素有り
{netabare}
■北村と会長
{netabare}タイガの殴り込みからの会長の激白部分、初めて心揺さぶられるTHE恋愛的な描写が出てきた箇所で好きです。{/netabare}
■クリスマスパーティー
{netabare}リュージめ、そこでタイガを一人にするなよ!と本気でイラッとしてしまった。タイガが自分の気持ちに気づいて、でもリュージはみのりんを見ており、最初はお互いの恋を応援するといった手前、また一人でも大丈夫と言い聞かせようとしても抑えられなかった感情が爆発してしまうところがせつない。というか若い。みのりんがそれを目の当たりにしてしまうことも、その足でリュージのもとに向かって彼にかけたセリフもとてもやるせないものがある。{/netabare}
■ラストの空白の1年間
{netabare}くっつきかけて離れてからの再開エンドは、先日亡くなられた鶴ひろみさんの代表作(と勝手に思っている)きまぐれオレンジロードを彷彿とさせる展開。そういえば鮎川まどかは元祖ツンデレとも言われてた魅力的なキャラだったなぁ、もしこの作品にオマージュ的なものがあったらそれはそれで胸アツだな、と脳内妄想してしまった。{/netabare}
{/netabare}
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2018.08.16追記
《配点を修正》