ワドルディ隊員 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
敵キャラの存在感が濃いハードボイルド系忍者アニメ
このアニメ映画は、川尻善昭氏が原作、脚本、監督を務めた
時代劇作品である。
北米では知名度が高く、50万本近く売れる程の人気を誇っている。
あらすじを一行で言い表すと、抜け忍として生活している主人公の
獣兵衛が、途中で仲間となる甲賀組くのいち陽炎らと共に、
鬼門八人衆という忍軍団のボスとして君臨している、
過去に倒したはずの宿敵、弦馬に再度戦いを挑むというもの。
この作品がいいなと感じたところは、非常にレベルの高い作画だ。
特に、戦闘シーンは目を見張るものがある。
その他の部分でも気合が入っており、緊張感を上手く活かせていると思う。
個性的な敵役が多いのも大きなポイント。
特に印象に残っているのは、序盤に出てきた鉄斎というキャラクターだ。
風貌だけでなく、残虐な性格を持ち合わせている人物である。
敵を引きちぎった後、その腕から直接血を吸引している姿を見て
明らかに危険な奴だと実感した。私としては、ラスボスより
この巨体の方がボスキャラの貫禄があると感じる。
他の川尻作品でも感じていたのだが、テンポのよい点は
群を抜いていると思う。変にだれることなく進んでいくため、
テンポ重視の方なら特に問題なく
見れることだろう。
反対に、ストーリー展開は抜きんでたものではない。
良くも悪くも普通なのだ。主人公側のキャラクター達は、
そこまで印象に残らないしね。強いて言うなら、
あのご老人がかなりスケベな爺さんだという所か。
とはいっても、物語を陰ながら引っ張っていく
陰の立役者としての役割が大きいので、この作品には
欠かせない存在だと思う。
個性的な敵キャラが多いとは言ったのだが、パワーバランス
が悪いのか一部の敵キャラを除き、かなり冷遇されている
ように感じる。ぶっちゃけ、弦馬と鉄斎以外の人物は
全くと言ってもいいほどに印象がないのだ。
ただのマスコットにしか見えない人物もいたし。
まあ、尺が足りなかったのかもしれないが。それならいっその事
八人衆ではなく、五人衆か四人衆位の規模に抑えるべきだったのでは?
そうすれば、それぞれの戦闘シーンをじっくり描けていたのに…。
勿体ない。
ちなみに、過激描写やエロシーンが存在する。流石に顔面変形や
内臓破裂はないものの、流血シーンは普通にあるのである程度の
耐性は持っておいた方が良い。
忍者ものの作品が好きな方なら、一度視聴してみてはどうだろうか。
個人的には、良作だと思う。