京 さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
謎の喪失感
評価の良さにつられて視聴。
序盤はタイム物らしい伏線を感じるものの、キャラ付けややりとりに激しい嫌悪感を抱きながらながら見していました。
「これ本当に面白いのか?」と懐疑的ながらも、これだけ評価がいいのだから良いところもあるのだろうと流し見。
だんだんと痛い空気も和らぎ(慣れた?)、4話あたりで友人の父への対応などから、どうやら主人公は本気で痛い子ではなく常識は持ちあわせた上で意識的にキャラを使い分けていると気付いた & 荷物を運ぶ二人がいいな…と思いだしたとこから話を面白く感じ始めました。
そこからはキャラ同士のわいわいが微笑ましくなり、実験を始めたあたりから引力に惹き付けられ、そしてX-dayからは時間を忘れて没頭…。
ラストの数話は平衡感覚を失ったかのように、ぐらぐらと感情を揺さぶられ続けました。本当に見て良かったとおもえるアニメです!
中でもリーデイングシュタイナーの能力が繋ぐ、視聴者と主人公の一体感が素晴らしい。オカリンの視界と記憶、感情を共有することで、いいな、可愛いなと思っていたあるヒロインに、いつの間にかとてつもない感情を抱くようになっていました。
出てくるキャラの殆どに抱いていた最初のころの嫌悪感も、今では愛情に変わって誰も彼もが愛しい…。
このアニメの欠点を上げるとしたら、美しく物語の幕を下ろすため、もっと話の中にいたいのに「はい、おしまい」と世界から追い出されてしまうことです。
自分もその世界の一員のように感じていたのに、ただの観測者でしかなかったことを思い知らされ、謎の喪失感を味わっています
。初見から2月は経つのに未だにどこか空虚。視聴中に主人公の孤独をわかったつもりでいましたが、この見終わった後の孤独感を味わった時に、主人公の孤独を本当に理解したといえるのかもしれません。