Dkn さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
なんだ・・ 青春映画じゃないか。
『音』によって紡がれていく
ふたりの高校生の出逢いと日常
ふたりは愛のリミットがあることを悟っている
隔離されたこの空間、閉じられた世界
鳥かごから放たれたらもう二度とは戻らない
同性愛を題材に、万人に共通する恋を描いた作品。
【ネタバレじゃなく、感想↓】
{netabare}
音楽や環境音の心地よさや、役者の張らないけれど存在感のある演技。ドラマCDでもいけますね。
それに加えて映像から読み取れる工夫もされていて良かった。
何より。前述した「学生生活の中で育まれる恋愛のリミット」を題材にしてるところが良い。
このアニメではそのことに関して何度も視聴者に問いかけられます。
飲酒や喫煙のシーンが数回出てくるのですけど、常識や倫理観の欠如は必須です。無いと気持ち悪い。だって同性同士はダメだって口酸っぱく言われてるでしょ(誰にだよ)性格の違いや対比が描かれる部分でもありました。
同性愛へ進む場合に、葛藤もなく社会の中での危険性も考えず、ご都合主義だけで進んでいく好事家の為だけにあるBLが嫌いです。詳しくはありませんが、BLの中での処女性というのは行為をしたことがあるかどうかではなく、ノンケかどうかで見られている気がします。その為ノンケから恋に落ちていくパターンが異常に多いのですが、やはりファンタジーになってしまう事がほとんど。
“男性同士の同性愛が好き”という方ならいざしらず、それ以外の人は脳内妄想をダラダラと見せつけられるだけで辟易します。まあジャンル自体がそういう嗜好の方の為にあるという正論ぶつけられるなら、それまでですけど。
セクシャルマイノリティを扱った題材には内容の良いタイトルが多々ある為、結構好んでみるのですけど。少女向けはやはりファンタジーが多い。男性向けにも視点が一方通行の洒落臭い都合のいい女が出てくるラブコメディーが多いので、そこは男女別のジャンルの区別でいいと思うのですけどね。
この“同級生”はその辺、良いバランスで描かれてました。
{/netabare}
内容にはあまり触れませんが、納得のいく青春映画でした。面白かった。