ヒタギ さんの感想・評価
2.8
物語 : 1.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
騙された
春アニメ一番の期待作と踏んでワクワクして0話から毎週観ていたのですよ。
ネゴシエイターの肩書も暴力に訴える事なく最後に平和的に何かやってくれるだろうと
自分だけではなく多くの人が期待していた事でしょう。
5話のワムは鳥肌ものでした。
6話の被害最小限のカドの線移動は成程これは立方体を生かしたいい設定だと感心しました。
素材が悪くないだけに本当に残念です。
自分を含めなぜこの作品に拒絶感、違和感を感じる人が多いのかはっきり書きます。
それはTVアニメの起承転結のセオリー無視した所にあります。
起の序盤で作品のジャンルを提示しなければいけないのが鉄則なのにそれをやらなかった。
まどマギTV版を例として挙げます。
起→3話まで、承→6話まで、転→10話まで、結→12話まで と振り分けてみます。
全12話中、起の3話ギリギリでこの作品はダークファンタジーですという方向性を視聴者に完全に示しました。
ジャンル提示の礼儀として当然の約束事を果たしました。
何故なら絶望系アニメをどうしても受け付けない人は序盤の3話で切る事が出来て
逆に見続ける側の人は残り9話分を観る心の準備が出来るから。
でカドの結果は、おそらくはアニメ史上初であろうファーストコンタクト物という
異色ジャンルの形を中盤までとっておきながら物語も折り返し過ぎた転で
いきなりトンデモ異世界バトル物へジャンル転換(転落)して失速するという裏切りの展開。
あのまどマギでさえジャンル提示の基本法則は崩していないのです。
もし起承転結の鉄板法則を破って視聴者を唸らせるとしたらよっぽどの脚本で挑まないと難しいでしょう。
自分はこの作品のシリーズ構成の小説家はよく存じあげません。
もしかしたら小説ではよくある手法なのかもしれませんがオリジナルアニメではこのやり方は厳しいですよ。
もしこの結末を小説家が描いていないのなら謝ります。申し訳ありません。
話を戻します。穿った見方をすれば大人も楽しめる思考型SFアニメの体裁を装いつつ実は中高生の腐女子向けアニメでした、どうですか騙されたでしょうとでも言わんばかりの作り方に少し悪意を感じます。
もし悪意がないとすれば壮大な設定を考えたもののオチが思いつかず安易に妥協してしまったという所なのでしょうか。
最後に作画は悪くありません。
音楽はOP,EDともに好みで高評価を付けました。