たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
テーマは”反逆”だろう
忠告しますが、ゲームのレビューも一緒の評価です。
人間は色々なものに縛られている。親、兄弟、恋人などの身近な人だけでなく、上司や世間といったものに束縛されている。
だからこそ人と人との間に生きているのが「人間」なのだろうが、本作ペルソナ5はそういった人間とのコミュニケーションが比較的苦手で内向的とされている奥手なオタクというメンタリティーの人には希望が持てる作りになっている。
過去のトラウマや人とのすれ違いが前面に押し出され、「仲間」や「絆」が一番大事だというのは実に少年ジャンプ的な「思春期」的発想であり、実際の社会はそれ以外の老若男女が存在し、社会を構成しているのだからそう一筋縄ではいかないのが現実社会だ。
そういったことを外せば本作は非常に心に残る作品になる。スタイリッシュな映像と音楽、シナリオやキャラクターデザインはそういった少年や青年には永遠に心に残るので、かなりのファンを獲得できたのは前述の背景が存在するからだ。
本作のテーマは「大人社会」の反逆であり、あえて主人公を盗賊まがいの犯罪者として設定しているのも「コードギアス」や「デスノート」などのピカレスクロマン的主人公像の典型例だからである。
逆を言ってしまえば、大人になりきれない人達の話であり、アダルトチルドレンそのものを指さす指標になっていて、終盤である登場人物が「君たちには開けた希望が溢れた"自由"が待っている。」と説くが、僕は逆に閉塞感を感じる。
本当に開けた自由ではなく、あえて「仲間」の範疇内での自由であり、内輪的な話しでしかない。
それは本作のような心の闇を背負った人物たちであり、オタクというメンタリティーをイメージしてしまうので、個人的にはそこが乗りきれないのだ。(あくまで個人的な話)
あと、特別版のアニメだが、あれではゲームの序盤の話にもなっていないほど支離滅裂で即興で作っていることがすぐにバレてしまう。もう少しどうにかならなかったものか。