みゅ さんの感想・評価
4.4
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
いい意味で思ってたのと違った.追記有り
今更見ました。
感想としては、「いいもん観たなぁ」って感じです。
原作未読、これから読みます。
----------追記----------
原作も読み終わりました。
原作を読んだ感想と、それを踏まえたアニメの評価も追加したいと思います。
原作は期待以上のものでした。
色物枠だと思っていた初見時の印象はもう根底から覆っています。
ラノベにありがちなネットスラングの気持ち悪い言い回しもなく、特筆して上手い文章ではないのですが安心して読み進められる文章でした。
何より、この物語には一切「悪人」が出てきません。
読んでいて非常に気持ちがいいです。
「現実はこんなんじゃねぇよ」というツッコミの介入する余地すらない程、良い人ばかりが出てきます。
物語もよく練られていて、難しいテーマとしっかり向き合っていると思いました。
結末とそれに向けての条線には賛否ありますが、主人公の性格を考えれば納得できるものだと私は感じました。
主人公の性格に少し触れましたが、これがまた不快感の一切無いかなりの好青年です。
ラノベ主人公特有の難聴も無く、気持ちの悪い言動も無し。
鈍感な部分もありますが、病的なまでに非現実的なものではなく、不快感を感じることはありません。
行動原理の中心に据えられているのは常に3姉妹の事という、一貫した意思を最後まで持ち続けます。
シナリオも感動的なのですが、いわゆる御涙頂戴物ではなく、じんわりと涙腺を攻めてきます。
本当に心が温まります。
原作者が元々そういう傾向にあるためか、メディアミックスではかなり萌え方面へのアプローチが強いですが…(アニメも含めて)
正直勿体ないです。
タイトルもかなり損してると思います。
原作を読んで思ったのは、「アニメは2期作る気ねぇな」でした。
細かい設定がかなり変更されています。
主人公が「うちに来るか?」と提案した際、次女が真っ先に飛びつくのですが、これは後々の展開に影響します。
アニメではバッサリカットですね。
長女と初めて会う時のシーンも、手の傷の手当てに使うのは絆創膏ではなくハンカチです。
なぜわざわざ絆創膏にしたのか…
これも後の展開に繋がります。
主人公の未成年者略取誘拐罪についての言及も原作では描かれています。
アニオリを混ぜるくらいならその辺をしっかり描いて欲しかったですね…
周辺人物の性格も一切合切無視です。
2期を作っても辻褄が絶対に会いません。
アニメではよくきらきら星を歌いますが、原作では歌いません。
原作を読んでからあれを見ると「…なんで突然歌い出すん?」となります。
三女はよく即興でオリジナルの歌を披露して周囲の人物を癒してくれますが、アニメではそっちをカット。
子供が作る歌なんて、映像化するのはさほど難しくないと思うのですが…
イメージが崩れないようにしたのでしょうか。
もしそうなら、むしろそのほかの要素で手遅れですがね。
きらきら星よりもそっちを聴きたかった…
物語の本番は次女の母親が登場してからだと私は思うのですが、原作1巻と短編集やコミカライズから抜粋した分しかアニメ化されていません。
まだまだプロローグ部分です。
原作特典のOVAも、原作を読んでる人に向けた物のはずなのに原作とは辻褄の合わない展開が多くあります。
(主人公の、次女に対する一人暮らし反対のシーンや、次女のアイドルさながらの活動など)
私としては全巻アニメ化して欲しいと願うばかりですが…
アニメ化には厳しい条件が重なりすぎて、まぁ無理でしょうね。
やるなら、心理描写が丁寧な京都アニメーションか、原作を忠実に映像化してくれるWhite Fox辺りがいいですね。
…まぁ叶うことのない願望ですが。
ツラツラ書き連ねましたが、キャラが動いてるだけでアニメには価値がありますね。
原作とはもはや別物となってしまってますが、アニメもいい作品だと思います。
上で散々書きましたが、ここまで細かく変更されていると、アニメ制作側の「2期を作る気は毛頭ない」という確固たる意思を感じます。
2期は期待しないほうがいいですね。
もしあるならafterでしょうか。
----------ここまで追記----------
以下、以前書いた原作未読状態でのレビュー
見る前はいつものよくある萌えアニメだと思っていました。
タイトルから食わず嫌いしてました。
しかし1話から2話にかけてのなんだか不穏な雰囲気…
「あれ…気のせいか、この両親ちょっと…」
とか思っていたら、案の定事故死しました。
「1週間のお世話役で1クール使うのか!?」とか最初は思ってましたが、私的にはいい意味で期待を裏切られました。
案外シリアス展開なのか!!ワクワク。
ただ両親の死に方があまりにも設定作りの材料でしかない描写だったのは、感情移入しづらい部分でした。
また、「親戚を説得して家に連れていくのだろうな」と思っていたらなんとまぁ強引な方法で連れて行きます。
一応その後すぐに親戚と電話で話していてはいましたが…
まぁ印象としては「この主人公、甘過ぎないか?」というものでした。
育ての親も死んで、親戚からの援助も受けず、公的な機関への相談もしないで大学生が1人で3人の子供を養う…
見ながらずっと突っ込んでました。
おいおい、とりあえず大人に相談しろ?
ただ、そんな設定とかよりシナリオですよね。
3姉妹は可愛く描写されていましたし、徐々に絆を深めていくストーリーは見ていて気持ちが良かったです。
細かい設定の矛盾や破綻は、無い方が好ましいですがこの作品では重要では無いと思います。
設定に重きをおく作品では無いでしょう。適材適所です。
この作品は家族の絆を描くのががメインで、最初にも書きましたが、設定はその単なる土台です。
評価するべき点はそこかと思います。
そう考えれば概ね楽しめた先品でした。
2期は期待できそうにありませんが、OVAでラストを補完してくれているのも好印象です。
早く原作が読みたいですね。