ホロムギ さんの感想・評価
2.0
物語 : 1.0
作画 : 2.5
声優 : 1.0
音楽 : 4.0
キャラ : 1.5
状態:観終わった
きっと好きじゃなかったんだよ
劇場で観たんですが、上映中早く終わらないかとずっと考えていました。
そこまで期待していたわけではなかったのですが何もかも予想のはるか下をいかれましたね。
長くなったので先に要点のまとめ。
ラストは誰がどこまで覚えていて、どうなったのか。それは重量ではなくて、あの一日の幼い心が動く青春があればよかったんです。モヤっとされる方も多いでしょうがキャラに目を向けて下さい。
そのキャラの感情が出てこなくて、表情は変化せず何を考えているのかわからなくて、声がへたくそで余計伝わらなくて。結果がこれ。
少女は何も得ず、現実逃避のための一日で誰も好きではなかった。ただ一人で居たんです。
まずはストーリーから。
物語は悔いのない一日を過ごすためのタイムリープもの。
そこが現実かそうでないのかは特に意味はないのです。しがたってラストや今後のことも重要ではありません。
見るべきポイントは幼さ故の恥ずかしさから異性に対して距離をとってしまったり、強がって間違った距離の詰め方をしたり。そんな心の揺らぎだったはずです。
しかし、不思議な世界観や怪しくも魅惑的なヒロインを無理に作ろうとしてしまったがために何もかもをぶち壊してしまい、結果よくわからない物語になりました。花火とかあってもなくてもいいものでしたね。
よってこの映画の魅力はストーリーにありません。キャラですが!!
ではキャラについて。
主人公の声を俳優の菅田将暉。
ヒロインの声を女優の広瀬すず。
頼むからプロを使ってくれ。。。
声優が本業でなくても神木隆之介や長澤まさみなど上手い人は確かにいます。ただ今回は酷すぎる。
広瀬すずはまだいいのですが、菅田将暉のセリフは棒読み。
菅田将暉だと知らずに映画を見始めたので、キャラが最初に「うん」だったか「あぁ」だったかあいずちを打つのですが、その一言目でこの映画はヤバイと感じました。そこから最後まで酷くて、スタッフロールで犯人を見つけました。菅田将暉。
さて、大切な話。
菅田将暉演じる主人公は年相応。異性との関りを周りの友人に知られてはからかわれるし、何を考えているのか本心がつかみきれないヒロインに翻弄されながらも自分が助けなければと奮闘する。まぁ自己満足ですけどそれでもいい。それは自然な感情と行為。
ヒロインこそがこの映画のキーマンなのですが・・・
影があり、男を翻弄し虜にするような感覚ですが、まだまだ子供。現実に何かを変えられるわけではなく、どれだけ努力しても無駄だと理解しています。怪しい魅力の少女も現実では何もできないか弱い女の子なんです。そこが気持ち悪い。アニメなんだらか最初から最後まで挫折なんて知らなくていいと思います。ずっと主人公を上手く利用すればいいのにと感じました。
ただ、心の揺らぎを描きたいこの映画では性格設定を間違えたとしかいいようがありません。もっと透明な素の感情を出す子にしていればなんとかなったのに。
結局少女は誰のことも好きではなかったのでしょう。すべては無駄だとわかっており自暴自棄の末に主人公を利用しただけ。
あの一日も楽しいとは思ってないでしょうね。大人になったら忘れていることでしょう。
作画。
背景は綺麗でした。
キャラの表情は能面。ヒロインの照れた表情を見ても感情は伝わってこず、頬を染めたように見せてるだけで照れてるようには見えません。
他の人物も、怒っているとき、照れているとき、喜んでいるとき。対して顔に違いはありません。
化物語のような世界観であれば魅惑的に思えますが、テーマは甘酸っぱい恋愛です。間違えてる。。。
音楽。
米津玄師は好きなので。今作最高のポイント。
映画の中で良いのは歌だけ。
んーーーもったいない映画だったなぁ。
違う監督、制作会社だったら全く変わった印象になるでしょうね。
残念。