◇fumi◆ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
月面都市ルナで繰り広げられる仮面舞踏会、オペラ座の夜
2004年放送のテレビアニメ 全24話
原作 アレクサンドル・デュマ「モンテクリスト伯」アルフレッド・べスター「虎よ虎よ」
監督 前田真宏 構成 神山修一 キャラデザ 松原秀典
制作 GONZO
モンテクリスト伯/エドモン・ダンテス CV中田譲二
アルベール・ド・モルセール子爵 CV福山潤
名作SF小説「虎よ虎よ」のアニメ化がなぜ駄目だったのか。
これにつきますね。
「モンテクリスト伯」なら著作権が切れてますので問題は無いでしょうが。
監督はモンテクリスト伯の物語で設定に虎よ虎よを取り入れたとは言っているようです。
テレポートはありませんが、19世紀文化世界が月に移植されSF的世界観が作り出されています。
このアニメはモンテクリスト伯こと復讐の鬼と化したエドモン・ダンテスの物語ではありますが、
主役は目立たなかった脇役のアルベールです。
視聴者はアルベールの視点で謎の伯爵を見ることになるのです。
月面都市ルナで繰り広げられる貴族たちの社交界。
仮面の舞踏会、オペラ、カーニバル、闇の貴公子たちの暗躍。
テクスチャを多用した映像は、当時では衝撃的でした。
2004年ですからね。すごいです。
萌え文化の先取も重要な要素です。
特に男の娘ペッポ CV中原麻衣は時代を考えるとあり得ないくらいです。
現代の目の肥えた視聴者にとってはもはやレトロ感が感じられるかもしれませんが。
この作品もマニアにしかお勧めしませんが、挑戦的作風は結果的に成功した、
優良作品ではあったと思います。
魅力的なキャラが多く、構成脚本も優れていて忘れられるのは惜しい作品です。
毎年大量の良作アニメが作られている時代ではこのような作品が若い人の目に留まる可能性は少ないでしょうね。
何かの機会があった時はぜひ完走してほしいと願います。
後悔はしないと思います。良作です。