三笠 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
4年という無駄のない空白期間
1期から期間が空き過ぎただけで、ハイクオリティに違いはない。寧ろ空けたことで1期よりもクオリティに磨きが掛かっている。
キャラの輪郭線の強弱の付け方が自然になったことに始まり、カメラワークの演出にも磨きが掛かり、獣の巨人が馬を握り潰してぶん投げるシーンや、ライナー独白の裏切り発覚によるエレン咆哮からの巨人化、及び攻撃シーン、下から抉るようなエルヴィンの腕を食われながらの仲間を強烈に先導するシーンなど…。挙げれば切りがないですが、とにかくアングルとコマ運びの拘りがいちいち凄かった。
それはもちろん作画自体のクオリティが高いからこそ生かせる演出だし、特にクリスタやユミルのエフェクトの掛かったメイクアップは本当に美しかった。
このメイクアップ演出は4年の空白期間の内に製作された「カバネリ」で導入され、荒木監督が松本幸子さんにメイクアップアニメーターという役職を与えられて始まったらしいのだけど、この経緯がなければ今回メイクアップ演出には繋がっていなかったかもしれないし、使っていたからこそ、そのクオリティが以前よりも遥かに増していたことは言うまでもない。
4年という期間は長すぎてかつての円盤購入者はとっくに離れ、売り上げも格段に落ちて「右肩」なんて揶揄されてしまったけど、この4年の経験はメイクアップだけに限らず、全ての技術に生かされていたことを自分は実感した。4年も経つ間に他のアニメ作品をさんざん見て、いざ久しぶりに進撃を見ると「やっぱすげえ」ってなるのは、元々他の追随を許さない程にこの会社のレベルが高いのもあるけど、進撃チームのレベルが4年前より底上げされているからなのは確かだから。
1期のようなリヴァイ班の班員を女型に殺され、一人づつ目に焼き付けて看取っていたリヴァイがオリジナルで死者を愚弄した挙げ句、女々しく死んだ隊員の自由の翼のタグを切り取って持ち帰らせるみたいな酷い改悪もなく、あくまで原作補完に留めていたのも改善点としては大きかった。
ただあえて難を言えば、超大型巨人がCGになっていたのが自分的には残念でした。CGが残念って意味じゃなく、1期との作画の差異に最初はやはり馴染めなかったという意味で。
両腕で交互にパンチシーンや、落下シーンを見た時のインパクトのデカさに呆気に取られた後にはきっと3期はこのCGをさらにハイスペックで活用するんだろうなという、もう期待しかないですが。
これ程の圧倒的レベルの、外国人も認める映画並みのクオリティでアニメ化して貰える作者さんはご自身が言ってはいるけど、本当に恵まれているなぁと思います。もちろんそれだけの作品ではあるし、そのレベルで観れるこっちは寧ろ有難いんですけどね。