お茶 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
通り過ぎた一瞬の煌き
のんのんびよりを観て思うことは、童心を思い起こす。
田舎でのんのんと暮らす日々をゆったりと描いている。いたって普通と思いきや本作のデフォルメされたものが浮かび上がってきた。それはれんちょん以外の面々は結構オトナであるということ。
本作のその日常という遊びは田舎に視点が置かれているのかもしれないが、女子中学生がかくれんぼや虫取りを普通するのか?それな否である。あえてそれを描くことによってずっと続いてほしかった、日常を遠回しに終わるという、それを伝えてきてるような気がしてならない。そんないつか終わってしまう日常をあえて見せる。そこに何か、遠い昔の自分を思い起こされるも、戻れない、懐かしさと悲しさが入り混じった、何とも言えない感情になる。
これはのんのんびよりでしか、得られない感情だ…
さらに、本作の作りは萌えとか笑いとかではなくて、ジュブナイルに近いものがある。ジャンルで言えば、クレしんとかちびまる子ちゃんに入ってもおかしくない。夕方からのんのんびよりが放送されていても、私の中では違和感は感じない。そしてこのジャンルと言えば、永遠性だ。のんのんびよりが永遠に続いていてもおかしくない。それが夕方に放送されてもおかしくない。ただ、この世界は時間が存在する。れんちょんは小学生になって、自転車を乗れるようになってしまうのである。それは喜ばしい瞬間ではあるが、この時心底思った。のんのんびよりは永遠ではないんだ、と。
いつか終わってしまう虫取りなどの遊びを日常に取り入れ、時間軸を確立することで、永遠性を否定する。だからこそ本作の一瞬はのんのんという言葉とは裏腹に、僕らが通り過ぎてしまった一瞬の煌きなのであると感じまする。