ちあき さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
観ていて辛い、そして温かい
限りある人生だからこそ大切に生きたい。そう思える作品でした。
人間とほぼ見た目の変わらない人型アンドロイド「ギフティア」。作中では、そのギフティアが世界中に普及している世界です。
正直な所、最初うちは、こんなロボットを作るなんて有り得ないという思いで見ていました。
人間と全く同じのアンドロイド、ただし寿命が短い。81,920時間(約9年4ヶ月)現実的に考えて、そんなロボットを作るメリットがないと思いました。倫理的にも無理そうだなと……。
倫理的に問題があるというのは、人がロボットに対して、人間として扱ってしまうことです。よく映画やアニメで扱われる話ですが、ロボットはロボット。人間ではありません。ロボットが人間に近づけば近づくほど、ロボットであることを忘れてしまいます。ロボットを人間だと思い込みやすくなってしまいます。そこからいろんな問題が生じてきます。
その様な問題もこの作品の扱う所なので、そんな誤解を生じさせやすいアンドロイドを作り、普及させていること、そしてその葛藤を必ず起こさせるようになっている寿命の短さ、これがかなり疑問でした。
まぁ設定だから仕方がないか……。そこを否定したら、始まらない……。そう思っていたのですが、ちょっと見方を変えて、今の現実に当てはめてみるとこのような設定も妙に納得がいきました。
どのように当てはめて考えたかというと、アンドロイド=ペット。ペットに対する私達人間の接し方も色んな人がいます。中には、動物としてではなく、本当に人間として、例えば恋人のようにペットに接する事例もあるそうです。ペットロス症候群というのも聞きます。
動物は動物だろう?と思える人に対しても、寿命意外は人間と同じアンドロイドとすることで、そのような気持ちを想像できるようにしやすくしたのかなと思います。そう考えると、寿命の短さも納得です。
そのようなペットと人の関係を題材にしたのかは私にはわかりませんが、そのように現実の問題と関連付けて観てみても、考えさせられる作品でした。