しゃぶしゃぶ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:今観てる
久々のハイファンタジー
砂の海という世界観や、手描き風の風景にナウシカっぽさを感じる。原作未読。
キャラクターはよく描けているし、作画も安定している。リコスがかわいい。
現在5話。帝国の襲撃に長老会の集団自決命令、立て続けに起きる問題に振り回されてきたが、ようやく砂クジラは一つにまとまり、話が前に進み始めた。世界や砂クジラ自身にも謎が多く、これからの展開が楽しみ。
ただ、(原作有りの常だが)少々説明不足に感じるところが多い。
感情を捨てていた設定があるため心理的な部分は描きにくいのだろうけど、リコスが泥クジラを守るために全てを賭すとまで言うに至るまでの描写が弱かった。
また独自の用語を覚える必要があり、(今のところ)"冒険"や"旅"をしないため、大勢の登場人物が一箇所に詰め込まれてややこしい。名前も独特な語感のものが多く、頭に入れにくい。自分は主要キャラでも名前があやふや。他の一般的な物語のように、一部の人間ばかりクローズアップしていないのは、この作品の良いところでもあるのだが。
名前についてちょっと蛇足
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泥クジラの人々の名前はチャクロ=茶黒や、スオウ=蘇芳といった日本語の"色"が多い。
外国人はリコス=狼、アラフニ=蜘蛛のように、ギリシャ語(というよりカタカナ語)のものが多い。
特にもじっていないようなので、分かる人なら覚えやすいかもしれない。
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原作では描かれているのかもしれないが、日常生活、衣食住に関する描写が少ない。ギンシュの綺麗な服はどうやって手に入れたのか。どんな料理を飲み食いしているのか等、船上生活の疑問が湧いてくる。リコスの泥クジラへの想いに違和感を覚えるのもこのせいか。
また、外の世界に人間がいることも知らなかった者が「敵の敵は味方」なんて戦略的な格言を知っているなど、詰めの甘さもちらほら。
とはいえ、異世界モノや現代モノが溢れる昨今、かえって珍しくなったハイファンタジーは嬉しい。