でこぽん さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
個性が息づいている作品です
響け!ユーフォニアム2は前半部と後半部とに大きく分かれています。
どちらとも個々の部員の内面にこだわった内容で、涙があふれてきます。
■前半部
今まで全く目立たなかった2年生の鎧塚みぞれを中心に描かれています。
みぞれの心の弱さ、おくびょうな性格には、感じるものがあります。
人間は誰でも心のどこかに弱い部分を持っています。
だからこそ、根暗だったみぞれが、あるきっかけで明るくなったとき、私は嬉しくなりました。
おそらく「自分も変わることができる。成長することができる」と感じたからだと思います。
変化した彼女の吹くオーボエはこの上なく温かく、彼女の笑顔は天使のように愛らしかった。
ちなみに、このときの吉川 優子の頑張りは見事でした。
一生懸命努力したからこそ、みぞれの心に強くうったえることができたのだと感じました。
■後半部
強いカリスマ性を持っている田中あすかを中心に描かれています。
だが、彼女も一人の女子高生でした。
悩みもあるし、涙も流します。
あすかにとって、吹奏楽部の人間関係など、どうでもよいことでした。
彼女はユーフォさへ吹ければ、それでよかったのです。
ユーフォを吹いている時だけが、父親と語り合える唯一の時間だったのです。
そんな彼女に、ある選択を迫られる出来事が発生します。
それは彼女にとって、とてもつらい決断でした。
このときの黄前ちゃんの行動は見事でした。
いつもは人畜無害そうな顔をしているのに、心を貫かれました。
■全体を通して
主人公の黄前ちゃんは、前半部でも後半部でも、巻き込まれキャラでした。
そして、この物語は前半部と後半部とで、それぞれ心を貫く衝撃があります。
珠玉の感動ではありません。まさに心をえぐるような感動です。
見終わった後、見て良かったと必ず思います。
ちなみに、ここではポニーテールの中川夏紀が4月の頃に比べて人間的にも大きく成長している様子がうかがえます。
友達の傘木希美を懸命に応援する姿や、自分へのメリットが全くないにもかかわらず、田中あすかやみんなのために懸命に頑張る姿勢には、思わず脱帽します。
夏紀は来年、誰からも慕われる立派な副部長になるでしょう。