Tnguc さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
【お気に入り】 アトムになったお爺さんの話
~
未知なる文明から全能なる力を手に入れたおじさんと青年の物語。
普通の人生から一転、超ハイテクなサイボーグへと変えられてしまったおじさん・犬屋敷一郎(いぬやしき・いちろう)と男子高校生・獅子神皓(ししがみ・ひろ)は、そこら辺のアメコミヒーローよりも万能な力を手に入れることになる。銃弾を弾くボディに、百万馬力の腕力、飛行する形態、そして、何でも治療できるオマケ付き。そんな無敵の力を手に入れた犬屋敷は、その力を使って人助けへと尽力を注いでいくが、同じ力を手に入れた獅子神は、逆に自分の為だけにその力を行使し、人をバンバン殺めていく。
心の葛藤を精密に描写する犬屋敷と獅子神の存在。戸惑いながらも人の為に行動する犬屋敷の優しさには心を打たれ、獅子神の抱く敵意には恐怖すら覚える。その両極端な描写が徹底されているがゆえに、単純ながらも強烈。そんな二人に対する世間の反応もリアリティーがあって臨場感を生んだ。
犬屋敷の勧善懲悪なお仕置きぶりや、獅子神の無差別な虐殺は作者の鬱憤の垂れ流しでチョット恥ずかしく思えるが、それでも爽快感は確かに存在した。単なるバトル物じゃなくて、葛藤の中で光る人間ドラマがとても丁寧で、脚本や演出、OPやEDのセンスなども含めて、純粋にアニメとしてのクオリティーは高かったと言える。描写があまりにも胸糞すぎる点や、エンタメ重視でメッセージ性が薄い点などから、あまり万人にオススメできる作品ではないのかも知れないが、物語は終始一貫して面白かった。少なくとも、アニメ版のガンツよりかは遥かに。
物語:★★★★☆
・SFを現実社会に落とし込む描写が上手かった。2話の猟奇的なシーンは強烈的。ラストは王道ながらも感動する。
作画:★★★★☆
・進撃のバハムートでお馴染みのMAPPA勢。OP・EDのクオリティーも高い。気合を入れ過ぎて3D班が死んでいた回があった。
声優:★★☆☆☆
・俳優の声質は良いんだけど、とにかく棒読みすぎるのが残念。改めて声優の凄さを実感。
音楽:★★★★☆
・ドラマ的な劇伴が多くて盛り上がる。OP曲はカッチョいいですね。
人物:★★★☆☆
・獅子神の非日常的な生への実感は共感が難しかった。犬屋敷は立派すぎる。
個人的評価:★★★★☆ (4.0点)