明日は明日の風 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
エヴァンゲリオンとは何だったのだろう…エヴァの思い出
日本にアニメが誕生して100年になります。とはいえ、100年の間でアニメが多くの人々に影響を与えるようになったのはTV向け国産アニメ第1号である「鉄腕アトム」が誕生してからと言っても過言ではありません。アトムの誕生が昭和38年(1963)ですから、50年を経過したところでしょう。この50年の間、ターニングポイントのTVアニメとなると数は限られます。
国産アニメ第1号であり、すべてのアニメはここにたどり着くとまで言われて完成された作品である「鉄腕アトム」。巨大ロボットアニメの原点となった「マジンガーZ」。SFアニメの世界を世に知らしめた「宇宙戦艦ヤマト」。戦いにおいて人のリアルな感情や描写をアニメにして、さらにメディアミックスの功罪を作り上げた「機動戦士ガンダム」。50年の間の前半はこれらの作品が大きな影響を及ぼしたのは間違いありません。細かく分析すればもっとも広がるのですが、これはまた別の機会に。
そして、後半の四半世紀においてはじめに大きな影響を与えた作品、それがこの「新世紀エヴァンゲリオン」と言えるでしょう。ではいったいなぜ、この作品が大きな影響を与え、社会現象にまでなったのでしょうか。そして、この作品の魅力は何なのでしょうか。いろんなところでいろんな考察がなされていますが、本当のところはよく分からないのではないでしょうか。おそらく、エヴァについて100人語ったら、100人とも違う意見が出てくると思います。それこそがこの作品の魅力なのだと思います。
エヴァンゲリオンが始まった当初、リアルタイムで視聴することはありませんでした。TV東京系でしたからこちらでは放映されませんでしたし、すでに社会人で仕事もままならない時だったので気にもしませんでした。そのうち雑誌などですごいアニメだと喧伝されるようになり、レンタルにも入っていたので「とりあえず借りて見てみるか。」くらいの軽い気持ちで視聴してみると…
はじめはうじうじした主人公がロボットに乗って敵をやっつけ、成長していく物語かと思いました。そんなありきたりなアニメがなぜ?と思っていたら、回が進むごとに???の連続。普通のロボットアニメとは明らかに違う違和感と不思議感でいっぱいになり、後半は加速的に「分け分からん」状態に突入していきました。そして伝説の最終回。もう頭がついていきませんでした。理解不能な展開と終わりに頭が固くなったからだと思い「年取るって嫌だな…」とつぶやくほど、絶望的な何かを感じてしまいました。が、何度見ても分からんものは分からん!そういう結論に達し、今に至っています。
その後も劇場シリーズは全部見てますし、ラスト(なんだろうな?)を待ち続けている状況です。なんで惹かれてしまっているのか、いまだに分かりません。この作品から何かを感じ取ったり、考えたりしてもとても私には出せる答えなど持ち合わせておりません。でも見たいし、まったく損を感じない不思議な作品です。またTVシリーズを見返そうか考えているところです。また何かを感じるかもしれないので。
そういえば、劇中に描かれていた電話だとか、システムとか、たった20年前なのにいまや絶滅危惧種なんですよね。新劇場版のものでも古く感じることがあります…時の流れを感じるのも新たな魅力かもしれません。(レビュー200作品の記念に)