たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
サイバーパンクとして設定が甘い
製作総指揮リドリースコット、ドゥニヴィルヌーヴ監督作品「ブレードランナー2049」を観てきた。北米では30代以上の男性客しか入らなかったということで、旧作とともに興行的に失敗してしまった模様。
実際に日本の劇場ではそこそこ男女のお客が入っていたが、反応はイマイチで、コミック映画や普通のSF映画とは違い派手なシーンが少ないので、デート向きとは言えない映画であることは間違いない。
しかし、世の中に「サイバーパンクSF」の映像化として名を上げてきた名作の続編ということで評論家やその筋のオタクには受けがよく、批評は絶賛をされている。
それは今までにあらゆるサイバーパンク作品の中ではずば抜けて芸術的で哲学的な作品であり、本作が「攻殻機動隊」「AKIRA」「マトリックス」などに最も影響を与えていることが映像からも理解できるからだ。
して、東映製作の「楽園追放」だが、CG技術は高いが、脚本がこの手の分野を得意とする虚淵玄が制作に名を連ねているが、正直言って「攻殻機動隊」以下である。同じ頃にTVアニメでつくられた「サイコパス」もどっかで見たようなシーンをつなぎ合わせたような作りで非常にがっかりさせられた。
どうも虚淵さんは脚本家、構成作家としては非常に能力が高いが、原作となると急激にスケールダウンしてしまう傾向がみられる。
要はマニア向けすぎて一般人がおっつかないのだ。それにはキャラクターデザインや設定にも説明不足な点が多く、中途半端にみえてしまうのだ。そこを考えると押井守監督などは「パトレイバー」や「攻殻機動隊」は無理のないように設定や画面構成を考えて映画を撮っていると思う。
あまり一般の人にはおすすめできないSF映画である。
この調子だと次のゴジラ初のアニメ映画も非常に不安要素でいっぱいだ。