kku さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 1.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
それ以上でもそれ以下でも
高校生になる女の子が子供の時に負った心の傷で声を失うがある事がきっかけで・・・。
よくあるパターンですが監督長井龍雪、脚本岡田麿里となれば
外せない作品かなと思います
とは言うものの「あの日~」は私の中ではイマイチ響きませんでした
ありがちな結論ありきのなんとか主義で。。
今回は岡田麿里脚本ということで手が伸びた感じです
作品はテンポも作画もよく一般的な劇場作品の水準では
あるかなという印象でした
もっと言うと想像通りでそれ以上でもそれ以下でもない感じです
時間は120分ありやや長いです。
もう少し短縮できたシーンやカットがあったように思います
キャラクターは対照的で声を失うヒロインは声の意思表示がない分、作画の力の入れようは感じました。
ちょっとしたしぐさ、感情を隠す事ができない表現は見ていて直に伝わり、感動的でもあります。
それとは対照的にヒロインに絡まれる男の子は朴訥としていて表現に乏しい立ち居地。この対照が作品の大筋を決めています
気になる点
{netabare}
子供に暴力的な捨てゼリフを言う父親、教師にいきなりキレる生徒
その生徒が180度性格が変わる変わり身の早さ、なぜかミュージカルでまとまる強引さ
あれだけクラスを巻き込んで逃亡するヒロイン、そこで好き勝手方弁するシーンと、それを受け入れる聖人のような主人公
とにかく文脈が掴みずらいし、観てて気分の悪さやついていけない印象も感じてしまったのは事実です
{/netabare}
ストーリーについて
{netabare}
青春もの?と思わせておいて冒頭のブラックなシーンは驚かされましたし
いきなり謎の卵人が出てくるのは正直先行き不安になりました
おおまかなプロットは最初の流れでオチが読めちゃう点が残念な気がします
ただし作品が訴えたい事や観てもらいたいターゲットが明確になるにつれ
その溜飲は下がりました
所謂、言葉が軋轢を生み、人を傷つけてしまう道具であると同時に、言葉でしか伝わらない事がたくさんあるといったのがおおまかなテーマです
卵そのものが思春期色んな悩みを抱えた子供たちそのもので、友達との関係や心の成長でその殻を割り大人へと育っていく。そんな話です
{/netabare}
その対比として最初はLINEで距離を一気に近づけるシーンがいくつか挿入されますが、後半は直接話す言葉でしか本当の気持ちは伝わらないと言った作者のメッセージはとても率直で爽やかな印象を受けます
とここで気になるのがこれを今の高校生がそうだよなと思えるかどうか。
やはり自分的にはターゲットはローティーン(13~15歳)かなと思います
高校生に120分引っ張って最後儀式のようにお互い思うことを言い合う
白熱のシーンに説得力があるかどうか?
最後のシーンはもしかしたら現役の中高学生世代の、一般的な代弁になっていたのかもしれないけど見ようによってはコメディにも見えるし、EDで流れるアイドルの合唱ソングとあいまって、やはり着地点がいまいち幼稚でした。