ヌンサ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
そのときであった、イデが発動したのは
数年前「早逝した小説家の作品をアニメ化する」みたいなネットニュース(マングローブの倒産で、作品完成はそのニュースの数年後でしたが)で、初めて伊藤計劃さんという方の名を知りました。
しかし正直「虐殺器官」というタイトルがあまり好きではなくて、完全に敬遠していました。僕は、センセーショナルだったり直接的なタイトルの作品は敬遠しがちです(ラノベのタイトルとか特に)。
しかし今年、ハリウッド映画の「メッセージ」を観たときに、"言語SF"というジャンルに大変興味を持ちました。そこで、"言語SF"を扱った小説を読みたくなってネット検索をしている中で、「虐殺器官」と再び出会うことになりました。
ただまあ、買うだけ買ってまだ読めてはいないです(笑)。
なので、「虐殺器官」のアニメは未見です。小説を読んでから観ようと思っています。
前置きが長くなりましたが、今作は小説を読まずに観ました。なので、僕が初めて触れた伊藤計劃さんの作品になりました。その選択が正しかったのかどうかはわかりませんが、
とても楽しむことができましたし、現在「ハーモニー」の原作小説が読みたくてたまりませんよ!
観て、思い出した作品は「アップルシード」(バイオロイド)「PSYCHO-PASS サイコパス」(シビュラシステム)・・・など他にもいくつか挙げることができます。しかし逆にここまで語られつくしている(と素人である僕は感じてしまう)
ジャンルでありテーマに、新鮮な風を呼び込んでいるなとも感じました。
長台詞のシーンでは、映像が次々と切り替わることに脳を割きすぎて、台詞があまり頭に入らない時もありました。その点からも、ますます原作小説をじっくり読みたいなと感じました。
若い人が今作から古いSF作品などに触れてくれたらうれしいですし、僕も彼らが影響を受けた作品とかには、これからもさかのぼって出会っていきたいなと思いました。
声優陣では、やはり上田麗奈さんでしょう。これまでも彼女の演技力の高さは、いくつかの作品で強く感じていましたが、今作で極まったな、と。主演の沢城みゆきさんを食ってしまうほどでした。
悪役(とミァハを言っていいのかわかりませんが)こそがあらゆる作品のキモなのだな、と改めて感じました。
コミカライズの出来も素晴らしいようなので、今作は少なくとも三度楽しみたいと思います。
P.S.「屍者の帝国」は観る(あるいは読む)べきなのか悩みます・・・。