四畳半愛好家 さんの感想・評価
2.5
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.5
状態:観終わった
主人公最強系にも「努力」や「苦悩」は必須だし、恋に独占欲は付き物(批判的レビュー)
優しいレビューワーさんの若干攻撃的なレビューが逆に気になって、吸い寄せられるように観てしまった本作品。
神の手違いにより死んでしまった主人公が、神の計らいで異世界に最強状態で転生される、正に「強くてニューゲーム」系作品。全12話。
(ちなみに、ゲームクリア後に「強くてニューゲーム」機能があると、結構嬉しかったりする私です(関係ない))
総評としてはやっぱり「酷かった」です。批判されるのももっともだと思いました。
先ず「良いところ」についてですが、「テンプレ批判」には目をつぶってあげたいと思ってます。
他の作品にも言えることですが、「テンプレだ!」なんて批判されつつも、終わってみたらなんだかんだ「オリジナルな話」になっているものだと思ってます。
物語の立ち上がりや部分的にテンプレ展開があるのは「ある程度仕方なし」が個人的な持論。
勿論、立ち上がりからオリジナル展開であることが一番望ましいですが、「異世界ファンタジー系」ではかなり厳しいですよ…。
本作も「悪者(雑魚)に襲われている女の子を助ける」等テンプレ展開多いですけど、全体的にみると魔法や戦闘のある世界観でここまで平和で苦戦もない作品は観たことがありませんし、魔法の使用法も割と変わってはいますので…言うほど「テンプレ作品」では無かったかなぁ…と。
てかこんな作品が「テンプレ」って言われるほどには、日本のアニメも落ちぶれてはいないかと。(結局批判だよ…)
ただ、「俺でも書けそう」と思えてしまう作品であり、こうした発想の貧困さから「革新的な部分が少ない」→「テンプレ批判」につながっているのかな?と。
確かに自分の若かりし頃の「戦国時代に現代兵器を持ち込んで無双し、みんなに祭り上げられる」恥ずかしい空想ないし妄想に近しいものを感じる…!
続いて「悪いところ」ですが(「良いところ」も結局批判になりましたが…。)正直沢山あります!あえて一つ挙げるなら「キャラ」ですかね?
暴論ですが、物語の展開がどんなにしょうもなくても、結局主人公がひたすら格好よかったり、ヒロインがとびきり可愛ければ観れるものです。
そんな大切な「キャラの魅力」ですが、本作については正直魅力とか以前に、人物をしっかり描けていないように感じます。妙に薄っぺらいです。
先ず主人公についてです。
性格は温厚で流されやすい、なんて設定ですが、同族嫌悪と言いますか、正直受動的で面白味がない人物です。「優しい」なんてよく言われますが、ごく一般的なレベルです。(〇ルバスの透くんみたいな人を言うのさ…「優しい人」って…。)
しかしどこかしらサイコパスな部分が多々あります。
先ず誤って死んでしまった時も飄々としている場面、私がもし神様だとしたら、恐ろしく思うでしょう。16年近く生きれば「家族」「好きな人」「気の置けない友人」等は少なからずいることでしょう…。そんな方々と手違いで唐突に「お別れ」することになれば普通怒るものです…。「落ち着いてて凄いね!」じゃなくて「冷たい奴だな」って感想を持つのが普通かと。
あるいは、現世になんの未練もないほどの生活をしてきたのか…。
また、平和な日本で暮らしていた若者が異世界に転生されたとして、たとえ身体能力が底上げされていようが、いきなりうまく戦闘できるでしょうか?
剣術をひたすら鍛えてきた相手の攻撃をうまく凌ぐことができますか?
この主人公はそういったミラクルを「努力なし」でこなします。正直共感できません。人も簡単に蘇生するしよ…。(wikiで見ましたが、さらにトンデモ設定が沢山あるみたいですね…。)
この「努力」「苦悩」なしで大活躍する主人公のどこに応援する要素があるんでしょうか…。
某劣等生も某落第騎士も、確かな努力と研究を行っているからこその強さです。
某ゲーム世界からの脱出に寄与したヒーローも、廃人レベルでゲームしてたからこその強さです。
某少年はシンクロ率だなんだの関係で努力なしに半ば強引にパイロットにされますが、彼の物語は一端の少年には重過ぎるほどの「苦悩」にあふれていました。
(最初から特別な人間なんているかよ?あのニュータイプだって徐々に覚醒していったんだよな?(某憂鬱アニメの〇ョンの歌の中のセリフ))
結局主人公が活躍するアニメでも、「努力」「苦悩」あるいは「苦戦」は必須です。
「努力」も「苦悩」もなしに大活躍なんて…都合がよすぎるんじゃありません??(教育にもよろしくない!現実を見ろ!と言いたい。)
あと、服装なぁ…。なんか「うわぁ…。」て思ってしまいました。
〇TBの中二っぽいマントは、ああいうスタイリッシュな世界観だからこそ良い感じに中二なわけで、こういう平和な世界であの服装は…正直きつい。
(思い返せば作中で「うわぁ…。」って思ったシーン多かったなぁ…。)
続いてヒロインたち…。そりゃアニメのヒロインなんだし、可愛いと言えば可愛いですが、それ以上に人間味が薄く…ある意味気持ち悪い。
姫の「独り占めしたい、そんなつまらない理由で彼を縛りたくありません」なんてセリフ・・・凄いですよね!
本当に男に都合のいいヒロイン共だこと…。(乱暴)
主人公が「沢山の嫁が欲しい」と言葉にしたわけでもないのに、ヒロイン自ら周りをけしかけてハーレムを作ります。
(どこの〇LOVEる!だよ! あっちはまだ、そうしないと「自分が選ばれない」とのエゴを含む計画ですが、こっちは「つまらない理由」ですよ…。)
「独り占めしたい」は決して「つまらない理由」ではないです。むしろ恋愛の本質だと思います。だから恋愛ってもめるわけで…。
(一夫多妻制の国の妻がどんな気持ちなのかは分かりませんが、きっと「男が選ぶ」自由のない世界なんだろうな…と思います。きっと恋愛とは違う…。)
ヒロイン達がハーレムへの準備を進める中、ただひたすら受動的な主人公がまた…。
同族嫌悪って部分もあるけど、自ら行動に移さずにバラ色の生活が待っているものか!現実を見ろ!と言いたい。
〇月のライオンのセリフにも似たものがあったけど、うじうじしていたら開くドアがあればいいが、はっきりいってそんなドアは無え!!
てな感じで長ったらしく批判してきましたが、「軽さ」はよかった部分でもあります。仕事帰りの疲れた時でも観れますからね…。
ただ、場面が切り替わる度に挟まれる小ネタも妙に滑ってるし(声優も辛かったんじゃなかろうか…)、A応PのOPも妙につまらないし…いろいろ残念なアニメだったと個人的に思います。(EDで各ヒロインバージョンが流れるのは良かったですね。)
とりあえず小ネタはアイキャッチの時くらいで丁度いい!(「〇ゃんこい!」のアイキャッチ時の小ネタは、声優が楽しそうでかなり好きなんですよね!(関係ない))