
退会済のユーザー さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
非常に気になる異質なアニメだった
一見して、「こういう類のアニメって観たことがないよな・・・」と感じ、気になって一気に観てしまった。
それでは、「どういう類のアニメなのか」と聞かれると、なかなか説明が難しいのである。
(1)愛の描写はあるが、恋愛ものではない。
(2)「化け物」に類するものや殺人描写があるが、ホラーではない。
(3)「子ども」が「大人の」社会の抱える問題を解決して、「最後はみんなで幸せ」という物語に近いが、そうではない。そう考えるには、あまりにも犠牲者が出過ぎているし、ラストシーンがささやか過ぎる。
(4)ウィキペディアには「SF」と書かれているが、そういうのはたいてい近未来的なものを思い浮かべる。この作品では人類文明が滅亡した後の「終末」的な世界が描かれている。
(5)人間の科学に対する傲慢さが描かれたものではない。
上記で挙げた要素をすべて「利用」した「全く新しいジャンル」のように思えたのである。しかしそのジャンルの「名前」が思いつかない。それも、このジャンルが新しすぎる、異質すぎるからだろう。円盤が売れなかったのは、「人類には早すぎた」からなのかもしれないし、青年ヲタクにとっては「大人っぽい」からなのかもしれない。しかし、本作品は日本のアニメ史上では忘れてはいけない「名作」だろう。原作者は、「ホラーというのは、ミステリの文脈でまったく新しいものが書ける」と気づいたと言っているが(ウィキペディア)、言い得て妙だろう。
<視聴にあたっての注意点>
映像ではなくセリフによく注意してください。特に4話は重要です。4話で置き去りにされた謎は、最終話にならないと分かりません。3話も11話を理解するうえで重要ですね。1話の冒頭のシーンが、すべての発端だということはすぐに分かりますね?
ネットで時々散見される、「真理亜が生まれてこなければ・・・」のナレーションは2話の最後にあります。
<個人的名シーン>
淡々とした過去の歴史に関する解説。あまりシーンが映像で出てこない点については、「かえって良い」と感じる。
それと、真理亜が守を見守ると言い残し、失踪するシーン。二人がどうなったのかは決定的な説明がされない。だから真理亜がもつ「女の不気味さ」が強調されるのだ。。。