Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
少年少女たちが見出すものは、「世界の矛盾」か、それとも正当なる「実力社会」か。
この作品の原作は未読で、「ようこそ実力至上主義の教室へ」というタイトルからもどんな作品かがイメージできませんでしたが、久保ユリカさん、M・A・Oさん、あやちなど気になる声優さんが出演している事を知り視聴を決めた作品です。
この物語の舞台は、全国屈指の名門校・高度育成高等学校…
この学校は全寮制で月に1回電子マネーが振り込まれ、なおかつその使途は自由というあくまでも生徒の自主性を重んじる校風の学校なんです。
中学を卒業したばかりの子供にそんな大金を持たせたらどうなるか…
そもそも価値を知らないと、お金は上手に使うことができません…
そんな子供たちが入学式で手にしたのは10万円相当分の電子マネー…
生活環境もガラリと変わって、何の気兼ねなく好きにお金を使うことができる。
普通に考えたら、異常なまでの先行投資…
これって学校側に何のメリットが…?
と思ったら、事の顛末が明らかになるまで、そう時間は必要ありませんでした。
「働かざるもの食うべからず」という格言がありますが、世の中まさにその通り…
そりゃ、自堕落な生活をしながらお金がポンポン財布に転がり込んで来ることなんてありませんし、あってはいけないと思います。
自分たちの行いが評価されて、それが次月に支給されるポイントに反映される…
社会人からみたらごく自然で当たり前のことなのですが、この物語で重要なのはそこではありませんでした。
そう…ここはお金さえ払えば「何でも買うことができる」学校だったのです。
支給されるポイントはクラス単位で変動する事から、クラス内の団結と調和が不可欠になるのですが、この学校のシステムを活用した様々な暗躍が蠢き始めて物語が動いていきます。
この作品のアニメ公式HPのイントロダクションにこの様な記載があります。
「この社会は平等であるか否か。真の「実力」とは何か…。」
でも残念ながら「平等」と「実力」はこの文言から推し量る事はできません。
まず「平等」ですが、この「平等」が何を指して問われているかが分かりません。
何故なら学生時代に一生懸命勉強して良い大学に入って一流企業に就職するエリートコースと学生時代に殆ど勉強もせず大学もいかずに地元企業の一兵卒で入社するコースを平等かと言われれば違うかもしれません。
ですが、学生時代に一生懸命勉強する、しないで将来の可能性が変わるのは周知の事実です。
だから学生時代に自ら可能性を狭めた人とそうじゃない人…そう考えれば同じだけの機会は与えられている訳ですからお互いに「平等」あると言えると思います。
ここでもし平等じゃないファクターがあるとするなら、親から援助を受ける資金の差、勉強する環境の差があるかもしれませんが、奨学金制度など本気で機会を活用したいと思うなら方法が全く無い訳ではありません。
まぁ、社会に出たら持って生まれた権力の差、の様なモノがあるのかもしれませんが、私の周りにはいないので何とも…
そして「実力」に至っては平等以上によく分かりませんでした。
そもそも何の実力を指して言っているのでしょう…?
この作品で描かれた様な、凡そ高校生にあるまじき振る舞いのこと…?
その前に学生の本分としてもっと学ばなくてはいけないことがあると感じたのは、きっと私だけじゃないと思います。
相手を騙して、蹴落として、成り上がる…がこの作品の実力の真骨頂だとするなら同じクラス対抗でも、暗殺教室の方がよっぽどフェアで見応えがあったように思います。
…という訳で物語の内容には賛同できませんでしたが、キャラは嫌いじゃありませんでした。
M・A・Oさん演じた佐倉愛里ちゃんなんかは、個人的には大好きな部類です。
それに作画も嫌いじゃありませんでしたよ…
オープニングテーマは、ZAQさんの「カーストルーム」
エンディングテーマは、Minamiさんの「Beautiful Soldier」
うーん、歌も良かったと思います。特にZAQさんのオープニングはお気に入りです。
1クール12話の物語でした。
こうしてみると自分に合わなかったのは物語だけだったみたいです。
頭の中を空っぽにして目の前で起こっている事象だけを追っていたら、きっと評価も変わったかもしれませんが、テーマがあまりに身近だったので…