つぼ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
あぁ、おもしろいなぁ
※2017.10.18初稿
(配点修正と最後に一文を追記しました)
久しぶり「当たり」を引きましたね、なんだか嬉しいです、
さて、先にレビューされている方に「星新一」のキーワードが出ていましたが、そうですね、私もそう思います、作風やテーマの偏り、特に読者・視聴者に余韻を持たせる為の「余白」の使い方がとても良く似ています、
私が全くの先入観なしで初めてこの作品を視聴した時に真っ先に出てきたのは星新一先生の「生活維持省」でした、作品の乾いた世界観や主人公の冷徹な程の行動原理がその理由かも知れません、
ただ異なる点も当然いくつかあります、
星新一作品は「個人(無論それのみでは無いが)」をユーモラスに滑稽に時に喜劇的とも悲劇的ともとれる突飛な行動や思考からその個人の「狂気」が覗かされる事が、星新一作品の面白味(のひとつ)だと思います、
それに対してこの作品は「国」単位です、それゆえに「狂気」の重さが星新一作品とは段違いです、
ある意味全く「救い」がありません、しかしながらそれだからこそ「生」への強烈な渇望が作品のテーマになっているのではないでしょうか、
だからこその「旅」ではないかと推察します、
まぁ、原作未読ゆえのお遊び考察なんですけどね、
見終わってみなさんのレビューを見渡すと、、、声優さんの批判がこの作品の評価を落としているようですね、
ただ、私は違う意見です、主人公キノは両親から作られた愛情で育てられ、作られた感情で両親から殺されかけた、愛情が希薄どころか愛情ゼロで育った人間です、それを知ってしまった人間です、感情を声に乗せる事が出来なくなるのも自然なのでは、と思います、声の方は出来る限り感情を乗せない演技をしたのか、又はその演技指導があったと思います、これはエルメスも同様です、キノとは違って「飄々」とした語りや「ユーモラス」な語りもしますが、その実、機械そのものを感じます、いや感情があるのかないのかすら掴めません、恐らくキノが不慮の事故や殺害されてもアッサリ次のパートナーに取り繕いそうです、そんな視聴者に掴ませない、煙にまくようなキャラふたりにピッタリの配役、演技(指導)ではないでしょうか、
最後に、 二期があるんですね、キノの声が変わるのは残念ですが、またあの乾いた世界観や危うい主人公ふたりの旅が観れるのは楽しみです、
あっ! あのキャンバスに絵本の色を乗せた様な作画も良いですね、ともすれば窒息しそうな作風もあの作画やキャラで随分救われている部分もあると思います、二期にも継続されると良いな。
※追記、↑間違えていましたね、新作でした、一応視聴しましたが私は断然旧作派です(笑)