クロシバ710 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
人間になれなかったピノキオの物語
1話から12話まで、まるでジェットコースターに乗っているようで、
物語に疾走感があつて、夢中になれた。
いろんな事件に遭遇しながら、3人と1匹でウラジオストクから池袋までの旅する時間は、まるで、ロード・ムービーを見ているかのようで楽しかった。
特に、僕はドールのJULYと、モモンガのマオが気に入った。
基本、残酷なシーンのある、シリアスなアニメ。しかし、ギャグの成分もあり、面白かった。
さて、ここからネタばれ。
この物語の主人公の女の子、スオウは双子の弟シオンによって作り出された
コピー人間。
彼女は約2年間、生きた後、インによってJULYとともに命を奪われ、
その役目を終える。
シオンが地球のコピー(この世界のような争いや戦争のない)を完成させ、そこにスオウとJULYを住ませたから。
さて、第4話、ロシアから北海道へ向かう船の上でスオウはくじらと
遭遇する。弟のシオンが彼女へのメッセージとして写真集にはさんだのも
くじらの折り紙だった。
僕はふと、くじらに飲み込まれたピノキオの童話を思い出す。
ピノキオは最後に、神様に人間にしてもらえたけど、
スオウは結局、この世で継続して(記憶をもったまま)生きることは許されなかった。
スオウが、実際に体験した学校での思い出、旅の途中で彼女が大人になった事、仲間たち?と困難な旅をした事、ヘイに対し恋心を持った記憶はいったいどうなるのだろう?
僕の結論、このアニメは、本当の人間になる事が許されなかった、コピー少女の悲しいお話。