蒼い✨️ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
千年前の夏の物語。
制作:京都アニメーション
2005年の8月28日と9月4日に特別編の前後作が放送されたTVアニメ。
原作は、Keyが制作したアドベンチャーゲーム。(といっても選択肢は非常に少ないが)
監督は石原立也。
【概要/あらすじ】
西暦994年。正暦5年【せいりゃくごねん】の物語。
雷雨激しく薄暗い日に、屋敷から脱走する3人の男女がいた。
男の名は柳也(りゅうや)。
正八位下の官位を賜っている者であり官職は左衛門大志(さえもんふだいさかん)。
剣の腕がたつ若者であり、とある貴人の警護を承っていた。
貴人の名は、神奈備命(かんなびのみこと)。
幼さが残る少女の身であり神の使い「翼人」として祀られながらも、扱いは籠の中の鳥に等しい。
背には大きな白い鳥の翼を持ち、特別な力を権力者に利用され続けてきた翼人の最後のひとり。
彼女・神奈備命もまた、先人のように良からぬことに利用されようとした時、
予てから仲睦まじく心通わせてきた2人・柳也と女官の裏葉(うらは)に手引されて逃げ出した。
向かう先は、神奈の母親が幽閉されている紀州の霊山。
その旅路での3人の語らいとふれあいをこのアニメでは語られている。
【感想】
原作ゲーム「AIR」のアニメ化作品は展開が早く、物語の根幹に関わる1000年前が綴られたSUMMER編は、
8話と9話で要点をつまんで性急にエピソードを消化。
本編では山での追手との斬り合いから目的地への到着までが僅か6分。
そのために尺の都合で捨てられた旅路の彼ら3人の日常パートの膨大な原作テキストを、
2回の放送分で補完したのが、この特別編。
やはり物語の情感を深くし登場人物に感情移入をするには、
日常パートを繰り返しての人と人の関わり合いの丁寧な描写が、ある程度必要。
近頃のラノベやなろうみたいに、1クールで無理やり決着つけるためのダイジェストにしてはいけない。
テンポのためにストーリーが無理やり切り詰められたものは、
登場人物が物語の歯車の駒に成り下がったイメージを与えたりと犠牲にされているものが多いと、
この「AIR」でも尺の使い方で丁寧さが大幅に変わるのを目にして何かしら感じるものがありました。
短いですが、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。