たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
萌え系チャーリーズ・エンジェル
アメコミ実写版「ワンダーウーマン」でも描かれていたが、19世紀~20世紀初頭のイギリスやアメリカなどの白人社会(通称WASP:ホワイトアングロサクソンプロテスタントの略)では女性の人権は愚か、参政権などない男性主義社会だった。
なので現実にイギリスが真っ二つに割れたとしても、女性がスパイとして活躍してもこのアニメのようにド派手な銃撃戦やアクションをこなす工作員としてではなく、美人局や事務的な潜入捜査が主な仕事だっただろう。
そういった意味では、本作は萌え系チャーリーズエンジェルであり、かわいい女の子が007顔負けのアクションスパイとして活躍するお遊びにしかなっておらず、文芸としての完成度は低い。
ケーバライト(反重力発生装置)は19世紀のイギリスの初期SF小説に出てきた題材であり、イギリスのコミック作家アランムーアの「リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン」という、同じく19世紀を舞台にしたスパイアクションコミックでも度々登場している。
全体的にイギリスの初期スパイ小説とSF小説を織り交ぜた内容で、初めて見た人には新鮮に映るだろうが、その手のファンには受けはあまりよくないだろう。なぜならそれだったら基の小説なり映画なりを見るからである。
そういう意味では、奇を衒ってはいるが物足りなさが残るアニメでした。